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抱朴子外篇 / 崇教

其談宮殿,則遠擬瑤臺瓊室,近效阿房林光,以千門萬戶為局促,以昆明太液為淺陋,笑茅茨為不肖,以土階為樸馬矣。民力竭於功役,儲蓄靡於不急,起土山以準嵩霍,決渠水以象九河;登淩霄之華觀,辟雲際之綺窗。淫音噪而惑耳,羅袂揮而亂目,濮上北裏,叠奏叠起;或號或呼,俾晝作夜。流連於羽觴之間,沈淪乎弦節之側。或建翠翳之青蔥,或射勇禽於郊坰,馳輕足於崄峻之上,暴僚隸於盛日之下,舉火而往,乘星而返,機事廢而不修,賞罰棄而不治。或浮文艘於滉瀁,布密網於綠川,垂香餌於漣潭,縱擢歌於清淵,飛高繳以下輕鴻,引沈綸以拔潛鱗;或結罝罘於林麓之中,合重圍於山澤之表,列丹飈於豐草,騁逸騎於平原,縱盧獵以噬狡獸,飛輕鷂以鷙翔禽,勁弩殪狂兕,長戟斃熊虎。如此,既彌年而不厭,歷載而無已矣。

新字:其談宮殿,則遠擬瑤台瓊室,近効阿房林光,以千門万戸為局促,以昆明太液為浅陋,笑茅茨為不肖,以土階為樸馬矣。民力竭於功役,儲蓄靡於不急,起土山以準嵩霍,決渠水以象九河;登淩霄之華観,辟雲際之綺窗。淫音噪而惑耳,羅袂揮而乱目,濮上北裏,叠奏叠起;或号或呼,俾昼作夜。流連於羽觴之間,沈淪乎弦節之側。或建翠翳之青蔥,或射勇禽於郊坰,馳軽足於崄峻之上,暴僚隸於盛日之下,舉火而往,乗星而返,機事廃而不修,賞罰棄而不治。或浮文艘於滉瀁,布密網於緑川,垂香餌於漣潭,縦擢歌於清淵,飛高繳以下軽鴻,引沈綸以抜潜鱗;或結罝罘於林麓之中,合重囲於山沢之表,列丹飈於豊草,騁逸騎於平原,縦盧猟以噬狡獣,飛軽鷂以鷙翔禽,勁弩殪狂兕,長戟斃熊虎。如此,既弥年而不厭,歴載而無已矣。

書き下し

其の宮殿を談ずれば、則ち遠くは瑤台瓊室に擬し、近くは阿房林光に效い、千門万戸を以て局促と為し、昆明太液を以て浅陋と為し、茅茨を笑いて不肖と為し、土階を以て樸馬と為す。民力は功役に竭き、儲蓄は不急に靡え、土山を起こして以て嵩霍に準え、渠水を決して以て九河に象る。凌霄の華観に登り、雲際の綺窓を辟く。淫音は噪ぎて耳を惑わし、羅袂は揮いて目を乱し、濮上北里、畳奏畳起す。或いは号び或いは呼び、昼を俾て夜と作す。羽觴の間に流連し、弦節の側に沈淪す。或いは翠翳の青蔥を建て、或いは勇禽を郊坰に射、軽足を険峻の上に馳せ、僚隷を盛日の下に暴し、火を挙げて往き、星に乗じて返り、機事は廃れて修まらず、賞罰は棄てて治まらず。或いは文艘を滉瀁に浮かべ、密網を緑川に布き、香餌を漣潭に垂れ、擢歌を清淵に縦にし、高繳を飛ばして以て軽鴻を下し、沈綸を引きて以て潜鱗を抜く。或いは罝罘を林麓の中に結び、重囲を山沢の表に合わせ、丹飈を豊草に列ね、逸騎を平原に騁せ、盧猟を縦にして以て狡獣を噬ましめ、軽鷂を飛ばして以て翔禽を鷙え、勁弩は狂兕を殪し、長戟は熊虎を斃す。此くの如くして、既に年を弥るも厭かず、載を歴て已まざるなり。

現代語訳

宮殿を語れば、遠くは瑤台や瓊室になぞらえ、近くは阿房宮や林光宮にならい、千の門万の戸でも手狭だとし、昆明池や太液池でも浅く粗末だと言い、茅葺きの屋根を笑って不肖のものとし、土の階を野暮な馬のようだと貶める。民の力は土木の労役に尽き、蓄えは急がない事に費やされ、土山を築いて嵩山や霍山に見立て、水路を切って九つの大河に似せる。天をしのぐ華やかな楼観に登り、雲の際に美しい窓を開く。みだらな音楽は騒がしく耳を惑わし、薄絹の袖は翻って目を乱し、濮水のほとりや北里の歌が、重ねて奏でられ起こる。叫び呼びながら、昼を夜に変えてしまう。杯のあいだに浸り、弦の調べのそばに沈む。あるいは翡翠の羽の傘を青々と立て、あるいは勇ましい鳥を野外で射、駿足を険しい峰の上に走らせ、従者を真昼の日にさらし、松明を掲げて出かけ、星の下を帰り、政務は廃れて修まらず、賞罰は棄てられて治まらない。あるいは彩色した舟を広い水面に浮かべ、密な網を緑の川に張り、香り高い餌を波立つ淵に垂れ、舟歌を清い水に響かせ、高く矢を飛ばして軽やかな雁を落とし、深く糸を引いて潜む魚を抜き上げる。あるいは獣捕りの網を林や麓に張り、重い囲みを山や沢の外に合わせ、赤い旗を茂る草に並べ、速い騎馬を平原に走らせ、猟犬を放って狡い獣に噛みつかせ、軽い鷂を飛ばして飛ぶ鳥を捕らえ、強い弩で狂った犀を倒し、長い戟で熊や虎を殺す。こうして年を越えても飽きず、歳月を重ねてもやめない。

解説

「千門万戸を以て局促と為し」と、すでにある宮殿を狭いと嘆く贅沢の描写から始まり、土木、音楽、宴、狩猟へと続く長い列挙です。結びの「機事は廃れて修まらず、賞罰は棄てて治まらず」が核心で、遊びの華やかさ自体より、そのために本来の政務が捨てられることを責めています。民の力が尽きる点も見逃せません。現代の組織でも、設備や接待、見栄えへの投資が膨らむほど、評価や意思決定という地味な務めが後回しになります。派手な支出を見るときは、その陰で何が放置されているかを併せて点検するのが、読み方の一つです。

この章句が説くこと

千門万戸を以て局促と為し民力は功役に竭き機事は廃れて修まらず賞罰は棄てて治まらず浪費奢侈

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