抱朴子外篇 / 嘉遁
赴勢公子勃然自失,肅爾改容,曰:「先生立言助教,文討奸違,摽退靜以抑躁競之俗,興儒教以救微言之絕,非有出者,誰敘彜倫?非有隱者,誰誨童蒙?普天率土,莫匪臣民。亦何必垂纓執笏者為是,而樂饑衡門者可非乎!夫群迷乎雲夢者,必須指南以知道;並乎滄海者,必仰辰極以得反。今聞嘉訓,乃覺其蔽。請負衣冠,策駑希驥,泛愛與進,不嫌擇焉。」
新字:赴勢公子勃然自失,粛爾改容,曰:「先生立言助教,文討奸違,摽退静以抑躁競之俗,興儒教以救微言之絶,非有出者,誰敘彜倫?非有隠者,誰誨童蒙?普天率土,莫匪臣民。亦何必垂纓執笏者為是,而楽饑衡門者可非乎!夫群迷乎雲夢者,必須指南以知道;並乎滄海者,必仰辰極以得反。今聞嘉訓,乃覚其蔽。請負衣冠,策駑希驥,泛愛与進,不嫌択焉。」
書き下し
赴勢公子は勃然として自失し、粛爾として容を改めて曰く、「先生の言を立てて教えを助け、文は奸違を討ち、退静を摽げて以て躁競の俗を抑え、儒教を興して以て微言の絶えんとするを救うは、出づる者に非ざれば、誰か彝倫を敘せん。隠るる者に非ざれば、誰か童蒙を誨えん。普天率土、臣民に匪ざるは莫し。亦た何ぞ必ずしも纓を垂れ笏を執る者を是とし、衡門に楽饑する者を非とせんや。夫れ群れて雲夢に迷う者は、必ず指南を須ちて以て道を知り、並びに滄海に在る者は、必ず辰極を仰ぎて以て反るを得。今、嘉訓を聞き、乃ち其の蔽いを覚る。請う、衣冠を負い、駑を策ちて驥を希い、泛く愛して与に進み、択ぶを嫌わざらん」と。
現代語訳
赴勢公子はむっとして我を失い、やがて居ずまいを正して言った。「先生は言を立てて教えを助け、文は奸邪を討ち、退いて静かにあることを掲げて、あくせく争う世の風を抑え、儒教を興して、絶えようとする奥深い言葉を救っておられる。世に出る者がいなければ、誰が人倫を整えるのか。隠れる者がいなければ、誰が幼い者を教えるのか。この天下の民は、みな臣民である。冠の紐を垂れ、笏を持つ者だけを是とし、粗末な門のもとで飢えを楽しむ者を非とする必要がどこにあろうか。群れて雲夢の沢に迷う者は、必ず指南車に頼って道を知り、みな大海に出た者は、必ず北辰を仰いで帰ることができる。いま、すぐれた教えを聞いて、自分の覆いに気づいた。どうか衣冠を身にまとい、駑馬に鞭打って名馬を目指し、広く愛して人と共に進み、相手を選り好みしないことにしよう」。
解説
この章句が説くこと
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