抱朴子外篇 / 嘉遁
「故藏器者珍於變通隨時,英逸者貴於吐奇撥亂。若乃耀靈翳景於雲表,則麗天之明不著;哮虎韜牙而握爪,則搏噬之捷不揚;太阿潛鋒而不擊,則立斷之勁不顯;驥騄踠趾而不馳,則追風之迅不形;並默則子貢與喑者同口,鹹暝則離朱與蒙瞽不殊矣。先生潔身而忽大倫之亂,得意而忘安上之義,存有關機之累,沒無金石之聲,庸人且猶憤色,何有大雅而無心哉!
新字:「故蔵器者珍於変通随時,英逸者貴於吐奇撥乱。若乃耀霊翳景於雲表,則麗天之明不著;哮虎韜牙而握爪,則搏噬之捷不揚;太阿潜鋒而不撃,則立断之勁不顕;驥騄踠趾而不馳,則追風之迅不形;並黙則子貢与喑者同口,鹹暝則離朱与蒙瞽不殊矣。先生潔身而忽大倫之乱,得意而忘安上之義,存有関機之累,没無金石之声,庸人且猶憤色,何有大雅而無心哉!
書き下し
「故に器を蔵する者は変通して時に随うを珍とし、英逸の者は奇を吐き乱を撥くを貴ぶ。若し乃ち耀霊の景を雲表に翳せば、則ち麗天の明は著れず。哮虎の牙を韜み爪を握らば、則ち搏噬の捷は揚がらず。太阿の鋒を潜めて撃たざれば、則ち立断の勁は顕れず。驥騄の趾を踠めて馳せざれば、則ち追風の迅は形れず。並びに黙せば則ち子貢も喑者と口を同じくし、咸く暝ければ則ち離朱も蒙瞽と殊ならず。先生は身を潔くして大倫の乱を忽にし、意を得て上を安んずるの義を忘れ、存するも機を関するの累有り、没するも金石の声無し。庸人すら且つ猶お色を憤る。何ぞ大雅にして心無き有らんや」。
現代語訳
「だから、才器を蔵する者は状況に応じて変通することを尊び、優れた隠れた人物は奇策を出して乱れを収めることを貴ぶのである。もし太陽が雲の向こうに姿を隠すなら、天を照らす明るさは現れない。猛虎が牙を包み爪を握りしめるなら、噛みつく素早さは発揮されない。名剣太阿が鋒を潜めて撃たなければ、一刀両断の力は現れない。名馬の驥や騄が足を曲げて走らなければ、風を追う速さは姿を見せない。みなが黙れば子貢も口のきけない者と同じになり、みなが目を閉じれば離朱も盲人と変わらない。先生は身を清く保って人倫の乱れをなおざりにし、満足を得て上を安んずるという義を忘れ、生きていても機を妨げる累いがあり、死んでも金石に刻まれるような名声はない。凡人でさえ怒りを顔に出す。まして大いに雅な人物が心を動かさずにいられようか」。
解説
この章句が説くこと
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