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秘本玉くしげ / 上 役人も重く罰す

さればたとひいささかの事にもせよ、此すぢあらば、その起るところの本を委細によくよく吟味して是非をただし、下の非あらば、その張本のともがらをおもく刑し玉ふべきは勿論の事、又上に非あらば、その非を行へる役人を重く罸し玉ふべき也。

新字:さればたとひいささかの事にもせよ、此すぢあらば、その起るところの本を委細によくよく吟味して是非をただし、下の非あらば、その張本のともがらをおもく刑し玉ふべきは勿論の事、又上に非あらば、その非を行へる役人を重く罰し玉ふべき也。

書き下し

さればたとひいささかの事にもせよ、此すぢあらば、その起るところの本を委細によくよく吟味して是非をただし、下の非あらば、その張本のともがらをおもく刑し玉ふべきは勿論の事、又上に非あらば、その非を行へる役人を重く罰し玉ふべき也。

現代語訳

だから、たとえわずかなことであっても、この筋(強訴の類)があれば、その起こったところの本をこと細かによくよく吟味して是非をただし、下に非があれば、その張本の者たちを重く刑に処されるべきことは勿論のこと、また上に非があれば、その非を行った役人を重く罰せられるべきである。

解説

騒動が起きたときの処し方を示す短い段である。どんな小さな騒ぎでも、起こった本をこと細かに吟味して是非を正す。下に非があれば張本人を重く罰するのは当然だが、上に非があれば、それを行った役人を重く罰せよ、と宣長は言う。一揆の処分といえば首謀者を罰して終わりにしがちな中で、宣長は処罰の目を役人の側にも同じ重さで向けさせようとしている。本書は後に、騒動のほとんどは上の非から起こるとまで述べることになる。不祥事が起きたとき、声を上げた現場だけを処分して、原因を作った管理する側の責任を問わずに済ませてはいないだろうか。

この章句が説くこと

吟味張本役人処罰是非

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