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碧巌録 / 第九十五則

頭兮第一第二 臥龍不鑒止水無處有月波澄有處無風浪起 稜禪客稜禪客三月禹門遭點額頭兮第一第二。人只管理會第一第二。正是死水裏作活計。這箇機巧。爾只作第一第二會。且摸索不著在。雪竇云。臥龍不鑒止水。死水裏豈有龍藏。若是第一第二。正是止水裏作活計。須是洪波浩渺白浪滔天處。方有龍藏。正似前頭云澄潭不許蒼龍蟠。不見道。死水不藏龍。又道。臥龍長怖碧潭清。所以道。無龍處有月波澄。風恬浪靜。有龍處無風起浪。大似保福道喫茶去。正是無風起浪。雪竇到這裏。一時與爾打疊情解頌了也。他有餘韻。教成文理。依前就裏頭。著一隻眼。也不妨奇特。却道稜禪客稜禪客。三月禹門遭點額。長慶雖是透龍門底龍。却被保福驀頭一點。

新字:頭兮第一第二 臥竜不鑒止水無処有月波澄有処無風浪起 稜禅客稜禅客三月禹門遭点額頭兮第一第二。人只管理会第一第二。正是死水裏作活計。這箇機巧。爾只作第一第二会。且摸索不著在。雪竇云。臥竜不鑒止水。死水裏豈有竜蔵。若是第一第二。正是止水裏作活計。須是洪波浩渺白浪滔天処。方有竜蔵。正似前頭云澄潭不許蒼竜蟠。不見道。死水不蔵竜。又道。臥竜長怖碧潭清。所以道。無竜処有月波澄。風恬浪静。有竜処無風起浪。大似保福道喫茶去。正是無風起浪。雪竇到這裏。一時与爾打畳情解頌了也。他有余韻。教成文理。依前就裏頭。著一隻眼。也不妨奇特。却道稜禅客稜禅客。三月禹門遭点額。長慶雖是透竜門底竜。却被保福驀頭一点。

書き下し

頭や第一第二、臥龍止水を鑒みず。無き処には月有りて波澄み、有る処には風無くして浪起る。稜禅客、稜禅客、三月禹門に点額に遭ふ。頭や第一第二。人只管に第一第二を理会す。正に是れ死水裏に活計を作す。這箇の機巧、爾只だ第一第二の会を作さば、且く摸索不著なる在り。雪竇云く、臥龍止水を鑒みず、と。死水裏豈に龍の蔵るる有らんや。若し是れ第一第二ならば、正に是れ止水裏に活計を作す。須らく是れ洪波浩渺、白浪滔天の処にして、方に龍の蔵るる有り。正に前頭に云ふ、澄潭蒼龍の蟠ることを許さず、に似たり。見ずや道ふ、死水龍を蔵さず、と。又道ふ、臥龍長に碧潭の清きを怖る、と。所以に道ふ、龍無き処には月有りて波澄み、風恬かに浪静かなり、龍有る処には風無くして浪を起す、と。大いに保福の喫茶去と道ふに似たり、正に是れ風無くして浪を起す。雪竇這裏に到りて、一時に爾が与に情解を打畳して頌し了れり。他余韻有りて、文理を成さしむ。依前として裏頭に就いて一隻眼を著く。也た妨げず奇特なることを。却つて道ふ、稜禅客、稜禅客、三月禹門に点額に遭ふ、と。長慶は是れ龍門を透る底の龍なりと雖も、却つて保福に驀頭に一点せらる。

現代語訳

頭は第一か第二か。臥した龍は止まった水に姿を映さない。龍のいないところには月があって波は澄み、龍のいるところには風がないのに浪が立つ。稜禅客よ、稜禅客よ、三月の禹門で額に傷を負った。(評唱)「頭は第一か第二か」。人はひたすら第一か第二かを理解しようとする。それはまさに死んだ水の中で暮らしを立てることだ。このからくりを、君が第一か第二かとして理解するだけなら、手探りしてもつかめない。雪竇は「臥した龍は止まった水に姿を映さない」と言う。死んだ水の中に龍が潜んでいるはずがない。もし第一か第二かであるなら、それはまさに止まった水の中で暮らしを立てることだ。大波が果てしなく広がり、白浪が天にみなぎるところにこそ、龍は潜んでいる。前に「澄んだ淵には蒼い龍がとぐろを巻くことを許さない」と言ったのと同じである。「死んだ水は龍を潜ませない」と言い、また「臥した龍はいつも碧い淵の清らかさを恐れる」と言うではないか。だから「龍のいないところには月があって波が澄み」、風は和らぎ浪は静かであり、「龍のいるところには風がないのに浪が立つ」と言うのである。それはちょうど保福が「お茶でも飲んでいけ」と言ったのと同じで、まさに風がないのに浪を起こしている。雪竇はここに至って、一度に君たちのために情識による理解を片付けて頌し終えた。彼には余韻があって、文の筋道を整えている。相変わらずその中に一つの眼を置いており、実に見事である。そこで「稜禅客よ、稜禅客よ、三月の禹門で額に傷を負った」と言う。長慶は龍門を通り抜けた龍ではあるが、かえって保福に真っ向から額に一点を打たれたのである。

解説

雪竇の頌と圜悟の評唱である。雪竇は、第一頭か第二頭かを論じるのは止水に臥す龍のようなもので、龍は澄んだ死水には潜まず、風もないのに浪を起こすところにこそいると歌う。圜悟は、保福の「喫茶去」がまさにその風なき浪であったと説明する。結びの「稜禅客」は長慶慧稜のことで、龍門を登りそこねた魚が額を打たれるという故事を借り、龍門を透った長慶でさえ保福に一点を打たれたと詠む。第一か第二かという格付けに安住すること自体が、活力を失った止水だという指摘である。順位や評価の議論に時間を使うより、波を起こす一言を放てるかに目を向けたい。

この章句が説くこと

臥竜止水第一第二頌活力言葉

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