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碧巌録 / 第九十則

垂示云。聲前一句千聖不傳。面前一絲長時無間。淨裸裸赤灑灑。頭鬔鬆耳卓朔。且道作麼生。試舉看。

新字:垂示云。声前一句千聖不伝。面前一糸長時無間。浄裸裸赤灑灑。頭鬔鬆耳卓朔。且道作麼生。試舉看。

書き下し

垂示に云く、声前の一句、千聖も伝へず。面前の一糸、長時に間無し。浄裸裸、赤灑灑、頭は鬔鬆、耳は卓朔。且く道へ、作麼生。試みに挙す、看よ。

現代語訳

垂示にいう。声になる前の一句は、千人の聖者も伝えない。目の前の一筋の糸は、いつまでも途切れることがない。すっかり裸にむき出しで、頭の髪はぼさぼさ、耳はぴんと立っている。さあ言ってみよ、どうか。試みに取り上げるから看よ。

解説

第九十則の垂示である。圜悟は、声になる前の一句は千人の聖者でも伝えられないと言う一方で、目の前の一筋の糸はいつまでも途切れることがないと言う。言葉で伝えられない真実が、実は目の前で絶え間なく続いているということである。それは飾りを剥がした裸の姿で、髪はぼさぼさ、耳はぴんと立つ、ありのままの生き物の姿として示される。本則では般若の体と用が問われ、智門は月を含む蚌と身ごもる兎で答える。伝えようとして言葉を重ねるより、目の前で途切れず続いている事実に気づかせる方が、ずっと確かな伝え方になる場面がある。

この章句が説くこと

垂示言葉般若公案声前ありのまま

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