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碧巌録 / 第八十六則

垂示云。把定世界不漏絲毫。截斷眾流不存涓滴。開口便錯擬議即差。且道作麼生是透關底眼。試道看。

新字:垂示云。把定世界不漏糸毫。截断衆流不存涓滴。開口便錯擬議即差。且道作麼生是透関底眼。試道看。

書き下し

垂示に云く、世界を把定して糸毫をも漏らさず、衆流を截断して涓滴をも存せず。口を開けば便ち錯り、擬議すれば即ち差ふ。且く道へ、作麼生か是れ透関底の眼。試みに道へ、看ん。

現代語訳

垂示にいう。世界をしっかりと押さえて毛筋ほども漏らさず、あらゆる流れを断ち切って一滴も残さない。口を開けばたちまち誤り、あれこれ思い量ればすぐに食い違う。さあ言ってみよ、関所を突き抜ける眼とはどういうものか。試みに言ってみよ、見てやろう。

解説

第八十六則の垂示である。圜悟は、世界を押さえて毛筋ほども漏らさず、あらゆる流れを断ち切って一滴も残さない境地を示す。そこでは口を開けば誤り、あれこれ思い量れば食い違う。そのうえで、関所を突き抜ける眼とはどういうものかと問う。言葉にした途端に外れるものを、それでも言ってみよと迫るのが禅の垂示の常套である。本則で雲門が「人人尽く光明有り」と言いながら、それが何かを誰にも言わせない展開への導入となっている。考えすぎて動けなくなる時、思い量る前に見えているものに立ち返ることが関門を越える鍵になる。

この章句が説くこと

垂示分別言葉公案透関眼力

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