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碧巌録 / 第六十三則

垂示云。意路不到。正好提撕。言詮不及。宜急著眼。若也電轉星飛。便可傾湫倒嶽。眾中莫有辨得底麼。試舉看。

新字:垂示云。意路不到。正好提撕。言詮不及。宜急著眼。若也電転星飛。便可傾湫倒嶽。衆中莫有弁得底麼。試舉看。

書き下し

垂示に云く、意路到らざるところ、正に好し提撕するに。言詮及ばざるところ、宜しく急ぎ眼を著くべし。若也し電転じ星飛ばば、便ち湫を傾け嶽を倒すべし。衆中、辨得する底有ること莫しや。試みに挙し看ん。

現代語訳

垂示にいう。思慮の道筋が及ばないところこそ、まさに取り組むのによい。言葉の説明が届かないところにこそ、急いで眼をつけるべきである。もし稲妻が走り星が飛ぶような速さがあれば、淵を傾け山を倒すこともできよう。この中に、見分けられる者はいないか。試みに取り上げて見よう。

解説

圜悟の垂示である。考えが届かないところ、言葉で説明できないところにこそ、工夫すべき急所があると説く。普通は理解できる所から手をつけたくなるが、禅ではむしろ理解の届かない場所に眼をつけることを求める。そこで稲妻のような速さで応じることができれば、淵を傾け山を倒すほどの働きが出る。この垂示は、続く南泉斬猫の公案への導入である。実務でも、言語化できない違和感や理屈では割り切れない局面にこそ、本当の課題が潜んでいる。そこから目をそらさず、即座に応じる構えを持ちたいのである。

この章句が説くこと

垂示言葉修行直観着眼

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