碧巌録 / 第六十二則
垂示云。以無師智。發無作妙用。以無緣慈。作不請勝友。向一句下。有殺有活。於一機中。有縱有擒。且道什麼人曾恁麼來。試舉看。
新字:垂示云。以無師智。発無作妙用。以無縁慈。作不請勝友。向一句下。有殺有活。於一機中。有縦有擒。且道什麼人曽恁麼来。試舉看。
書き下し
垂示に云く、無師智を以て無作の妙用を発し、無縁の慈を以て不請の勝友と作る。一句下に向かつて殺有り活有り、一機中に於いて縦有り擒有り。且く道へ、什麼人か曾て恁麼にし来たる。試みに挙し看ん。
現代語訳
垂示にいう。師によらずに得た智慧によって、作為のない妙なる働きを起こし、縁にかかわらない慈悲によって、請われずとも助ける優れた友となる。一句のもとに殺すことも活かすこともあり、一つの働きの中に放つことも捕らえることもある。さて言ってみよ、いったい誰がかつてそのようにしてきたか。試みに取り上げて見よう。
解説
圜悟の垂示である。無師智とは、人から教わるのではなく自らの内から湧く智慧、無縁の慈とは、相手を選ばずに及ぶ慈悲をいう。それらが作為のない働きとなって現れるとき、一句で人を殺し活かし、一つの機で放ち捕らえる自在が生まれる。圜悟はそのような人物として、次に雲門を挙げようとしている。頼まれてから動くのではなく、相手の必要を見て先に手を差し伸べる「不請の勝友」は、職場の先輩や上司の理想像でもある。その働きが作為なく出るとき、相手は助けられたことにも気づかないのである。
この章句が説くこと
無師智慈悲無心垂示勝友
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