碧巌録 / 第三十二則
垂示云。十方坐斷千眼頓開。一句截流萬機寢削。還有同死同生底麼。見成公案打疊不下。古人葛藤試請舉看。
新字:垂示云。十方坐断千眼頓開。一句截流万機寝削。還有同死同生底麼。見成公案打畳不下。古人葛藤試請舉看。
書き下し
垂示に云く、十方を坐断して千眼頓に開く。一句截流して万機寝削す。還た同死同生底有りや。見成の公案、打畳不下。古人の葛藤、試みに請ふ挙し看ん。
現代語訳
垂示にいう。十方を坐ったまま断ち切れば、千の眼がたちまち開く。一句で流れを断ち切れば、あらゆる働きが鎮まり消える。さて、生死をともにできる者はいるか。目の前に現れている公案は、片づけようにも片づかない。古人のからみあった言葉を、試みに取り上げてみよう。
解説
第三十二則に付けた圜悟の垂示である。十方を坐断し、一句で流れを断つという言葉は、迷いの働きを一挙に断ち切る師の力量を示している。そのうえで、同死同生、つまり師と生死をともにするほどに通じ合える者はいるかと問いかける。見成公案、目の前の現実そのものが片づかない問いだという指摘もある。この後に、臨済の一掌で大悟した定上座の話が続く。職場でも、一言で場の迷いを断ち切る人がいる。その一言を受け止められる側の準備があってこそ、通じ合いが生まれることを考えさせる垂示である。
この章句が説くこと
垂示一句公案師弟截流見成
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