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碧巌録 / 第五十八則

象王嚬呻 獅子哮吼無味之談塞斷人口南北東西 烏飛兔走

新字:象王嚬呻 獅子哮吼無味之談塞断人口南北東西 烏飛兔走

書き下し

象王嚬呻し、獅子哮吼す。無味の談、人の口を塞断す。南北東西、烏飛び兎走る。

現代語訳

象の王がゆったりとうめき、獅子が吼える。味わいのない話が、人の口をふさいでしまう。南に北に東に西に、日は飛び月は走る。

解説

雪竇が第五十八則に付けた頌である。象王の嚬呻と獅子の哮吼は、趙州の「五年分疎し下らず」という答えが、さりげなく見えて百獣を黙らせる王者の声であることを讃えている。「無味の談」は、何の趣向もない平凡な言葉が、かえって相手に口を挟む余地を与えないことを言う。結びの「南北東西、烏飛び兎走る」は、太陽の烏と月の兎が巡るように、時は止まらず流れ続けることを示す。飾り気のない誠実な言葉ほど反論の余地がなく、時がたつほど重みを増す。人を説得する場面で、技巧に頼らない言葉の力を思い出させる一首である。

この章句が説くこと

雪竇頌無味趙州言葉時間

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