碧巌録 / 第三十八則
雪竇知風穴有這般宗風。便頌道。擒得盧陂跨鐵牛。三玄戈甲未輕酬。臨濟下有三玄三要。凡一句中須具三玄。一玄中須具三要。僧問臨濟。如何是第一句。濟云。三要印開朱點窄。未容擬議主賓分。如何是第二句。濟云。妙辨豈容無著問。漚和不負截流機。如何是第三句。濟云。但看棚頭弄傀儡。抽牽全藉裏頭人。風穴一句中便具三玄戈甲。七事隨身。不輕酬他。若不如此。爭奈盧陂何。後面雪竇要出臨濟下機鋒。莫道是盧陂假饒楚王城畔。洪波浩渺白浪滔天。盡去朝宗。只消一喝。也須教倒流。
新字:雪竇知風穴有這般宗風。便頌道。擒得盧陂跨鉄牛。三玄戈甲未軽酬。臨済下有三玄三要。凡一句中須具三玄。一玄中須具三要。僧問臨済。如何是第一句。済云。三要印開朱点窄。未容擬議主賓分。如何是第二句。済云。妙弁豈容無著問。漚和不負截流機。如何是第三句。済云。但看棚頭弄傀儡。抽牽全藉裏頭人。風穴一句中便具三玄戈甲。七事随身。不軽酬他。若不如此。争奈盧陂何。後面雪竇要出臨済下機鋒。莫道是盧陂仮饒楚王城畔。洪波浩渺白浪滔天。尽去朝宗。只消一喝。也須教倒流。
書き下し
雪竇は風穴に這般の宗風有ることを知りて、便ち頌して道ふ、盧陂を擒得して鉄牛に跨る、三玄の戈甲未だ軽々しく酬いずと。臨済下に三玄三要有り。凡そ一句の中に須らく三玄を具すべく、一玄の中に須らく三要を具すべし。僧臨済に問ふ、如何なるか是れ第一句。済云く、三要印開して朱点窄し、未だ擬議を容れざるに主賓分かる。如何なるか是れ第二句。済云く、妙辨豈に無著の問ひを容れんや、漚和截流の機に負かず。如何なるか是れ第三句。済云く、但だ看よ棚頭に傀儡を弄するを、抽牽全く裏頭の人に藉る。風穴は一句の中に便ち三玄の戈甲を具し、七事身に随ふ。軽々しく他に酬いず。若し此の如くならずんば、盧陂を争奈何せん。後面に雪竇臨済下の機鋒を出ださんと要す。盧陂なるのみと道ふこと莫れ。仮饒楚王城畔、洪波浩渺として白浪天に滔るとも、尽く去いて朝宗するも、只だ一喝を消ひて、也た須らく倒流せしむべし。
現代語訳
雪竇は風穴にこのような宗風があることを知って、頌に詠んで言った、「盧陂を生け捕りにして、鉄の牛にまたがる。三玄の武具は、軽々しく応酬するものではない」。臨済の門下には三玄三要がある。およそ一句の中には三玄を具えねばならず、一玄の中には三要を具えねばならない。ある僧が臨済に問うた、「第一句とはどういうものですか」。臨済は言った、「三要の印を押し開けば朱の点はくっきりと狭く、ためらう余地も与えぬうちに主と客は分かれる」。「第二句とはどういうものですか」。臨済は言った、「文殊の妙なる弁舌がどうして無著の問いを許そうか。方便は流れを断ち切る働きに背かない」。「第三句とはどういうものですか」。臨済は言った、「ただ見よ、舞台の上で操り人形を動かすのを。引いたり操ったりするのは、すべて幕の裏にいる人による」。風穴は一句の中に三玄の武具を具え、七つの道具を身につけている。軽々しく相手に応酬しない。もしそうでなければ、盧陂をどうすることができたろうか。後半で雪竇は臨済門下の機鋒を打ち出そうとする。盧陂ばかりのことと言ってはならない。たとえ楚王の城のほとりで、大波が果てしなく広がり白波が天まで逆巻いて、すべて海へと流れこもうとしても、ただ一喝を用いれば、それを逆流させねばならないのだ。
解説
この章句が説くこと
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