碧巌録 / 第三十九則
垂示云。途中受用底。似虎靠山。世諦流布底。如猿在檻。欲知佛性義。當觀時節因緣。欲煅百鍊精金。須是作家爐韛。且道大用現前底。將什麼試驗。
新字:垂示云。途中受用底。似虎靠山。世諦流布底。如猿在檻。欲知仏性義。当観時節因縁。欲煅百錬精金。須是作家炉韛。且道大用現前底。将什麼試験。
書き下し
垂示に云く、途中受用底は、虎の山に靠るに似たり。世諦流布底は、猿の檻に在るが如し。仏性の義を知らんと欲せば、当に時節因縁を観ずべし。百錬の精金を煅へんと欲せば、須らく是れ作家の炉韛なるべし。且く道へ、大用現前底は、什麼を将てか試験せん。
現代語訳
垂示にいう。道の途上で自在に使いこなしている者は、虎が山を背にしているようである。世間の道理に流されている者は、猿が檻の中にいるようである。仏性の意味を知りたいなら、時節と因縁を観なければならない。百たび鍛えた精金を鍛えようとするなら、練達者の炉と鞴でなければならない。さて言ってみよ、大いなる働きが目の前に現れている者を、何で試すのか。
解説
第三十九則に付けた圜悟の垂示である。途中受用、つまり道の途上で自在に働く者は虎が山に靠るようであり、世諦に流される者は檻の中の猿のようだと対比する。仏性を知るには時節因縁を観よという言葉は、悟りが時と縁の熟すところに現れることを示す。百錬の精金を鍛えるには作家の炉と鞴が要ると言い、大用現前の者を何で試すのかと問う。この後に、雲門が清浄法身を花薬欄と答えた本則が続く。優れた人材ほど、それを鍛える場と人を選ぶ。人を伸ばす環境づくりを考えさせる垂示である。
この章句が説くこと
垂示仏性時節修行作家大用
関連する章句
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