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碧巌録 / 第三十則

舉。僧問趙州。承聞和尚親見南泉。是否州云。鎮州出大蘿蔔頭。

書き下し

挙す。僧、趙州に問ふ、「承り聞く、和尚親しく南泉に見ゆと。是なりや否や」。州云く、「鎮州に大蘿蔔頭を出だす」。

現代語訳

取り上げる。ある僧が趙州に問うた。「うけたまわるところでは、和尚はじかに南泉にお会いになったそうですが、本当ですか」。趙州は言った。「鎮州では大きな大根がとれる」。

解説

第三十則の本則で、趙州従諗と一人の僧の問答である。趙州が南泉普願の法を嗣いだことは天下周知であるのに、僧はあえて南泉に親しく会ったのは本当かと問う。師から何を受け継いだのかを試す問いである。趙州は、鎮州では大きな大根がとれると、まるで無関係な土地の名産を答えた。だが鎮州は趙州の住む土地であり、そこで採れる大根のように、いまここの暮らしそのものが南泉に会った証だとも読める。受け継いだものは肩書きや系譜ではなく、日々の姿に現れるのである。言葉より暮らしが雄弁なのである。

この章句が説くこと

趙州南泉大蘿蔔頭伝承公案今ここ

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