碧巌録 / 第二十四則
垂示云。高高峯頂立。魔外莫能知。深深海底行。佛眼覷不見。直饒眼似流星。機如掣電。未免靈龜曳尾。到這裏合作麼生。試舉看。
新字:垂示云。高高峯頂立。魔外莫能知。深深海底行。仏眼覷不見。直饒眼似流星。機如掣電。未免霊亀曳尾。到這裏合作麼生。試舉看。
書き下し
垂示に云く、高高たる峰頂に立てば、魔外も能く知ること莫し。深深たる海底に行けば、仏眼も覷れども見えず。直饒ひ眼は流星に似、機は掣電の如くなるも、未だ霊亀の尾を曳くことを免れず。這裏に到って合に作麼生かすべき。試みに挙し看ん。
現代語訳
垂示にいう。高い高い峰の頂に立てば、悪魔も外道もそれを知ることができない。深い深い海の底を行けば、仏の眼でのぞいても見えない。たとえ眼は流れ星のように鋭く、働きは稲妻のように速くても、霊妙な亀が尾を引きずって足跡を消しながら、かえってその跡を残してしまうことを免れない。ここに至っては、どうすべきか。試みに挙げてみよう。
解説
第二十四則に圜悟が付した垂示である。高い峰の頂に立つ者は悪魔や外道にも知られず、深い海の底を行く者は仏の眼にも見えないと、跡を残さない達人の境地を描く。しかし流星のような眼、稲妻のような働きを持っていても、尾で足跡を掃きながら尾の跡を残す霊亀のように、何かしら痕跡は残ってしまうと圜悟は言う。完全に跡を消すことの難しさを示し、では本当の自在とは何かと問うて本則へつなぐ。成果を誇らず跡を残さぬ働き方は、仕事の上での一つの理想である。跡を誇らず、しかも跡を恐れない構えが要る。
この章句が説くこと
霊亀曳尾峰頂海底自在無心修行
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