導師導古典を学びたいすべての人に

碧巌録 / 第二十二則

後回閩中住象骨山。自貽作頌云。人生倏忽暫須臾。浮世那能得久居。出嶺纔登三十二。入閩早是四旬餘。他非不用頻頻舉。已過應須旋旋除。奉報滿朝朱紫貴。閻王不怕佩金魚。凡上堂示眾云。一一蓋天蓋地。更不說玄說妙。亦不說心說性。突然獨露。如大火聚。近之則燎却面門。似太阿劍。擬之則喪身失命。若也佇思停機。則沒干涉。

新字:後回閩中住象骨山。自貽作頌云。人生倏忽暫須臾。浮世那能得久居。出嶺纔登三十二。入閩早是四旬余。他非不用頻頻舉。已過応須旋旋除。奉報満朝朱紫貴。閻王不怕佩金魚。凡上堂示衆云。一一蓋天蓋地。更不説玄説妙。亦不説心説性。突然独露。如大火聚。近之則燎却面門。似太阿剣。擬之則喪身失命。若也佇思停機。則没干渉。

書き下し

後に閩中に回って象骨山に住す。自ら貽りて頌を作って云く、「人生倏忽として暫く須臾、浮世那ぞ能く久しく居することを得ん。嶺を出でて纔かに三十二に登り、閩に入って早く是れ四旬余。他の非は用ひず頻頻に挙することを、已が過は応に須らく旋旋に除くべし。奉報す満朝朱紫の貴、閻王は金魚を佩ぶるを怕れず」。凡そ上堂して衆に示して云く、一一天を蓋ひ地を蓋ひ、更に玄を説き妙を説かず、亦心を説き性を説かず。突然として独露し、大火聚の如し、之に近づけば則ち面門を燎却す。太阿の剣に似たり、之を擬すれば則ち喪身失命す。若也佇思停機せば、則ち干渉没し。

現代語訳

のちに雪峰は閩の地に戻って象骨山に住した。自分に贈る頌を作って言った。「人生はたちまち過ぎ、ほんのしばしのもの。この浮き世にどうして長く居られようか。嶺を出たときはやっと三十二歳、閩に入ればもう四十余りだ。他人の非を何度も取り上げる必要はない。自分の過ちこそ、そのつど取り除くべきである。朝廷に満ちる高位高官の方々に申し上げる。閻魔王は金の魚符を帯びていても恐れはしない」。雪峰が説法の座に上って示すときは、一つ一つが天を覆い地を覆い、玄妙を説かず、心や本性も説かなかった。突然ただ一つ露わになり、大きな火の塊のように、近づけば顔を焼かれ、名剣太阿のように、触れようとすれば命を落とす。もし考え込んで働きを止めれば、まったく関わりがなくなる。

解説

圜悟の評唱の続きで、大悟した雪峰のその後の姿が語られる。象骨山に住した雪峰は、人生の短さを詠み、他人の非をあげつらわず自分の過ちを除けと自戒し、地位も閻魔の前では役に立たないと高官に告げた。説法では玄妙も心性も説かず、一句一句を大きな火の塊や名剣のように示したという。理屈を差し挟む隙を与えない説き方である。触れて考え込めば焼かれ斬られる、それが南山の鼈鼻蛇の正体である。他人の欠点より自分の過ちを先に正す姿勢は、肩書きを持つ人ほど忘れてはならない心得である。

この章句が説くこと

象骨山大火聚太阿剣自戒無常反省

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る