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碧巌録 / 第十五則

倒一說 分一節同死同生為君訣八萬四千非鳳毛 三十三人入虎穴別別擾擾怱怱水裏月雪竇亦不妨作家。於一句下。便道分一節。分明放過一著。與他把手共行。他從來有放行手段。敢與爾入泥入水。同死同生。所以雪竇恁麼頌。其實無他。只要與爾解粘去縛。抽釘拔楔。如今却因言句。轉生情解。

新字:倒一説 分一節同死同生為君訣八万四千非鳳毛 三十三人入虎穴別別擾擾怱怱水裏月雪竇亦不妨作家。於一句下。便道分一節。分明放過一著。与他把手共行。他従来有放行手段。敢与爾入泥入水。同死同生。所以雪竇恁麼頌。其実無他。只要与爾解粘去縛。抽釘抜楔。如今却因言句。転生情解。

書き下し

倒一説、一節を分かつ。同死同生、君が為に訣す。八万四千鳳毛に非ず、三十三人虎穴に入る。別別。擾擾怱怱たり水裏の月。雪竇も亦た妨げず作家なることを。一句の下に於て便ち道ふ、一節を分かつと。分明に一著を放過して、他と手を把りて共に行く。他従来放行の手段有り、敢へて爾と泥に入り水に入り、同死同生す。所以に雪竇恁麼に頌す。其の実他無し、只だ爾が与に粘を解き縛を去り、釘を抽き楔を抜かんことを要す。如今却つて言句に因りて、転た情解を生ず。

現代語訳

「倒一説」、一節を分け与えた。同じく死に同じく生き、君のために別れを告げる。八万四千の聖衆も鳳凰の羽ではなく、三十三人の祖師が虎の穴に入った。別格だ、別格だ。せわしなく揺れ動く水の中の月。雪竇もまたなかなかの手練れである。一句のもとにすぐさま「一節を分け与えた」と言う。はっきりと一手を見逃してやり、相手と手を取り合ってともに行くのである。雲門にはもともと放してやる手立てがあり、あえてお前たちとともに泥に入り水に入り、同じく死に同じく生きる。だから雪竇はこのように頌したのである。実はほかでもない、ただお前たちのために、こびりついたものを解き、縛りを外し、釘を抜き楔を抜いてやろうとしたのだ。それなのに今の人はかえって言葉によって、ますます情による解釈を起こしている。

解説

雪竇の頌と圜悟の頌評唱の冒頭である。頌は七字と短いため、残りの句を含む評唱と合わせた。雪竇は、雲門が倒一説で一節を分け与え、相手と同死同生したと詠む。圜悟は、これを一手見逃して手を取り合って行く放行の手段だと説き、雲門はあえて泥や水に入って相手と生死を共にしたと言う。その狙いは、こびりついたものを解き、縛りを外し、釘と楔を抜くことに尽きる。ところが人はその言葉にまた理屈を重ねてしまう。部下や後輩と同じ場所に降りて一緒に苦労しながら、相手の縛りを外していくのが良い指導だという示唆がここにある。

この章句が説くこと

雪竇雲門同死同生放行指導自由

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