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碧巌録 / 第十三則

垂示云。雲凝大野。遍界不藏。雪覆蘆花。難分朕迹。冷處冷如氷雪。細處細如米末。深深處佛眼難窺。密密處魔外莫測。舉一明三即且止。坐斷天下人舌頭。作麼生道。且道是什麼人分上事。試舉看。

新字:垂示云。雲凝大野。遍界不蔵。雪覆蘆花。難分朕迹。冷処冷如氷雪。細処細如米末。深深処仏眼難窺。密密処魔外莫測。舉一明三即且止。坐断天下人舌頭。作麼生道。且道是什麼人分上事。試舉看。

書き下し

垂示に云く、雲大野に凝りて、遍界蔵さず。雪蘆花を覆うて、朕迹を分かち難し。冷き処は冷きこと氷雪の如く、細かなる処は細かなること米末の如し。深深たる処は仏眼も窺ひ難く、密密たる処は魔外も測る莫し。一を挙げて三を明らむることは即ち且く止む。天下の人の舌頭を坐断す、作麼生か道はん。且く道へ、是れ什麼人の分上の事ぞ。試みに挙す看よ。

現代語訳

垂示にいう。雲が広い野に垂れこめても、世界の隅々まで何一つ隠れていない。雪が葦の花を覆うと、その跡は見分けがたい。冷たいところは氷や雪のように冷たく、細かいところは米の粉のように細かい。深い深いところは仏の眼でもうかがい知れず、密な密なところは悪魔や外道も測り知れない。一を挙げて三を悟るようなことは、ひとまず置いておく。天下の人の舌を押さえ込んでしまうには、どう言えばよいか。さあ言ってみよ、これはどんな人の身の上のことか。試みに挙げてみるから、見よ。

解説

第十三則の前に圜悟が置いた垂示である。雲が野を覆っても何も隠れず、雪が白い蘆の花を覆えば区別がつかないという情景で、本則の銀椀裏盛雪を先取りしている。白い椀に白い雪を盛るように、同じものと違うものが溶け合う境地は、仏の眼でも測れず悪魔も外道も見通せない。一を聞いて三を知るような才気はひとまず措き、天下の人の口を封じる一句を問う。物事を何でも区別し、言葉で白黒をつけたがる私たちに、区別がつかないところにこそ深さがあると示す。分析だけでは届かない領域があることを知るのも、仕事の成熟である。

この章句が説くこと

垂示雪分別一色公案言葉

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