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兵術要訓抄録 / 四撃の使い分け

四擊とは、直擊、受擊、變擊、謀擊也、於當流直擊とは、敵と立向ひ敵の不討先に我より先を討を云也、受擊とは、敵先を討をはづして我後を擊を云也、敵の太刀を受ると云事にて受擊と云なり、變擊とは、我直擊を討し處、敵受擊となりて我を討んとする時、我變じて討つを云なり、謀擊とは敵を謀て擊を云なり、又直擊は未熟にてもなる事なれども、受擊はよほど上手にて心靜まらざればならざるヿなり、謀擊は才覺者のする事なり、又直擊は未熟にてもなると云は、勝負は修練のほど〱によるヿなれども、直擊のつかひ安きは、敵に搆はず我より先を擊事ゆへつかひ安し、受擊は敵の打太刀を見て術をする事故未熟にてはならざるなり、變擊は我打太刀をうち損じ敵受擊となるを變じて擊事ゆへ達せずんばなりがたし、

新字:四撃とは、直撃、受撃、変撃、謀撃也、於当流直撃とは、敵と立向ひ敵の不討先に我より先を討を云也、受撃とは、敵先を討をはづして我後を撃を云也、敵の太刀を受ると云事にて受撃と云なり、変撃とは、我直撃を討し処、敵受撃となりて我を討んとする時、我変じて討つを云なり、謀撃とは敵を謀て撃を云なり、又直撃は未熟にてもなる事なれども、受撃はよほど上手にて心静まらざればならざるヿなり、謀撃は才覚者のする事なり、又直撃は未熟にてもなると云は、勝負は修練のほど〱によるヿなれども、直撃のつかひ安きは、敵に搆はず我より先を撃事ゆへつかひ安し、受撃は敵の打太刀を見て術をする事故未熟にてはならざるなり、変撃は我打太刀をうち損じ敵受撃となるを変じて撃事ゆへ達せずんばなりがたし、

書き下し

四擊とは、直擊、受擊、變擊、謀擊也、於當流直擊とは、敵と立向ひ敵の不討先に我より先を討を云也、受擊とは、敵先を討をはづして我後を擊を云也、敵の太刀を受ると云事にて受擊と云なり、變擊とは、我直擊を討し處、敵受擊となりて我を討んとする時、我變じて討つを云なり、謀擊とは敵を謀て擊を云なり、又直擊は未熟にてもなる事なれども、受擊はよほど上手にて心靜まらざればならざるヿなり、謀擊は才覺者のする事なり、又直擊は未熟にてもなると云は、勝負は修練のほど〱によるヿなれども、直擊のつかひ安きは、敵に搆はず我より先を擊事ゆへつかひ安し、受擊は敵の打太刀を見て術をする事故未熟にてはならざるなり、變擊は我打太刀をうち損じ敵受擊となるを變じて擊事ゆへ達せずんばなりがたし、

現代語訳

四撃とは、直撃、受撃、変撃、謀撃のことです。この流派でいう直撃とは、敵と向かい合い、敵が打たない先に、自分から先に打つことをいいます。受撃とは、敵が先に打つのをはずして、自分が後から撃つことをいいます。敵の太刀を受けるということで、受撃というのです。変撃とは、自分が直撃を打ったところ、敵が受撃となって自分を打とうとするときに、自分が変じて打つことをいいます。謀撃とは、敵をたばかって撃つことをいいます。また、直撃は未熟でもできることですが、受撃はよほど上手で、心が静まっていなければできないことです。謀撃は才覚のある者のすることです。直撃が未熟でもできるというのは、勝負は修練の程度によることですが、直撃が使いやすいのは、敵にかまわず自分から先に撃つので使いやすいのです。受撃は敵の打つ太刀を見て術をなすことですから、未熟ではできません。変撃は、自分の打った太刀が打ち損じて敵が受撃となるのを変じて撃つことですから、達していなければできません。

解説

攻め方を直撃、受撃、変撃、謀撃の四つに分け、それぞれに要する熟練度を述べた章句です。直撃は相手に構わず先に出るので未熟でも使え、受撃は心が静まっていなければできず、変撃は打ち損じを立て直すので達人でなければならないとされます。仕事でも、自分から動く提案は新人でもできますが、相手の出方を見て切り返す交渉や、失敗をその場で立て直す対応には経験と落ち着きが要ります。部下の力量に応じて任せる場面を選ぶ手がかりになります。

この章句が説くこと

四撃直撃受撃変撃謀撃先手

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