兵法家伝書 / 新陰流外物進履橋弓鐵炮の者つかひ樣
弓鐵炮之者つかひ樣之事 一 弓鐵炮足輕つかひやうの事世上皆しらざる物也。委細書載に及ばず。連樣に少外の習有。物頭足輕を連候ひて行列の時敵合、或一二里之内に成候時分足輕大小用の用事又はわらぢなど踏替とて跡へおくれ候時、物頭うか〱として居物なり。其足輕の追付候。遲々の間物頭やすらひ候得者、敵合の時あし〱にて物合惡きものなり。又足輕の私用縱誠にてもおくれ候とて走り候得ば、或は息まどひ或は備へ亂れ一兩人の纔の事にて味方のよはりになる物にて候間、兼て足輕共へも其旨を云聞せ置、敵合近くならぬうちに用事等をも仕舞、合戰を待心持にて有之樣に敎ふべき事肝要なり。剛臆等は其人に有事に候得ば脇よりの下知に難成事に候。此おくれ候はぬ樣にとは兼ての習はしにて事澄事也。
新字:弓鉄炮之者つかひ様之事 一 弓鉄炮足軽つかひやうの事世上皆しらざる物也。委細書載に及ばず。連様に少外の習有。物頭足軽を連候ひて行列の時敵合、或一二里之内に成候時分足軽大小用の用事又はわらぢなど踏替とて跡へおくれ候時、物頭うか〱として居物なり。其足軽の追付候。遅々の間物頭やすらひ候得者、敵合の時あし〱にて物合悪きものなり。又足軽の私用縦誠にてもおくれ候とて走り候得ば、或は息まどひ或は備へ乱れ一両人の纔の事にて味方のよはりになる物にて候間、兼て足軽共へも其旨を云聞せ置、敵合近くならぬうちに用事等をも仕舞、合戦を待心持にて有之様に教ふべき事肝要なり。剛臆等は其人に有事に候得ば脇よりの下知に難成事に候。此おくれ候はぬ様にとは兼ての習はしにて事澄事也。
書き下し
弓鐵炮之者つかひ樣之事 一 弓鐵炮足輕つかひやうの事世上皆しらざる物也。委細書載に及ばず。連樣に少外の習有。物頭足輕を連候ひて行列の時敵合、或一二里之内に成候時分足輕大小用の用事又はわらぢなど踏替とて跡へおくれ候時、物頭うか〱として居物なり。其足輕の追付候。遲々の間物頭やすらひ候得者、敵合の時あし〱にて物合惡きものなり。又足輕の私用縱誠にてもおくれ候とて走り候得ば、或は息まどひ或は備へ亂れ一兩人の纔の事にて味方のよはりになる物にて候間、兼て足輕共へも其旨を云聞せ置、敵合近くならぬうちに用事等をも仕舞、合戰を待心持にて有之樣に敎ふべき事肝要なり。剛臆等は其人に有事に候得ば脇よりの下知に難成事に候。此おくれ候はぬ樣にとは兼ての習はしにて事澄事也。
現代語訳
弓・鉄砲の者を使いようのことです。一、弓・鉄砲の足軽の使いようは、世の中ではみな知らないものです。詳しく書き載せるには及びません。連れようには、少し外の習いがあります。物頭が足軽を連れて行列している時、敵合いになったり、あるいは一、二里の内になった時分に、足軽が大小用の用事、あるいはわらじを踏み替えるといって後ろに遅れた時、物頭がうかうかとしているものです。その足軽が追い付くまで遅々とする間、物頭が休んでいれば、敵合いの時にあしざまで、物合いが悪くなります。また足軽が私用で、たとえそれがまことであっても、遅れたといって走れば、あるいは息が乱れ、あるいは備えが乱れ、一、二人のわずかなことで味方の弱りになるものですから、かねて足軽たちにもその旨を言い聞かせておき、敵合いが近くならないうちに用事なども済ませ、合戦を待つ心持ちでいるように教えることが肝要です。剛か臆かなどはその人にあることですから、脇からの下知ではどうにもなりません。この遅れないようにということは、かねての習わしで事が済むことです。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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