孫子 / 九地篇
是故不知諸侯之謀者,不能豫交;不知山林、險阻、沮澤之形者,不能行軍;不用鄉導者,不能得地利。
新字:是故不知諸侯之謀者,不能予交;不知山林、険阻、沮沢之形者,不能行軍;不用鄉導者,不能得地利。
書き下し
是の故に諸侯の謀を知らざる者は、予め交わること能わず。山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず。郷導を用いざる者は、地の利を得ること能わず。
現代語訳
そこで、諸侯の腹づもりを知らない者は、あらかじめ同盟を結ぶことができない。山林や険阻や沼沢の地形を知らない者は、軍を進めることができない。土地の案内人を使わない者は、地の利を得ることができない。
解説
三つの「知らなければできない」が並ぶ。他国の意図、地形、そして案内人。前の二つは情報だが、三つ目だけは人である。郷導、つまり現地の案内人を使わなければ地の利は得られない、と言い切っている。地図を持っていても、そこに住む人の知識には及ばないという認識だ。この一句は軍争篇にも同じ形で出てくる。孫子が二度書いたということは、それだけ守られない原則だったのだろう。事業でも同じことが起きる。新しい市場に入るとき、調査資料は揃えるが、その土地で商売をしてきた人を使わない。資料で分かるのは形であって、実際にどこが通れるかは現地の人しか知らない。外から来た者が地の利を得る唯一の方法は、既にそこにいる人を頼ることである。
この章句が説くこと
郷導行軍地形準備同盟現地
関連する章句
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孫子・行軍篇孫子曰く、凡そ軍を処き敵を相るに、山を絶つには谷に依り、生を視て高きに処り、隆きに戦うには登ること無かれ。此れ山に処るの軍なり。
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