兵法家伝書 / 殺人刀三拍子
一 三拍子之事 相打一ッ上れば、つけて打、一ッさぐれば越シて打一也、あふ拍子はあしゝ、あわぬ拍子をよしとす、拍子にあへば、敵の太刀遣ひよく成る也、拍子ちがへばつかわれぬ也、敵の太刀のつかひにくき様に打べし、つくるもこすも無拍子にうつべし、惣別乗拍子は惡也
新字:一 三拍子之事 相打一ッ上れば、つけて打、一ッさぐれば越シて打一也、あふ拍子はあしゝ、あわぬ拍子をよしとす、拍子にあへば、敵の太刀遣ひよく成る也、拍子ちがへばつかわれぬ也、敵の太刀のつかひにくき様に打べし、つくるもこすも無拍子にうつべし、惣別乗拍子は悪也
書き下し
一 三拍子之事 相打一ッ上れば、つけて打、一ッさぐれば越シて打一也、あふ拍子はあしゝ、あわぬ拍子をよしとす、拍子にあへば、敵の太刀遣ひよく成る也、拍子ちがへばつかわれぬ也、敵の太刀のつかひにくき様に打べし、つくるもこすも無拍子にうつべし、惣別乗拍子は惡也
現代語訳
三拍子のこと。相打ちで相手が一つ上がれば付けて打ち、一つ探れば越して打つ、とあります。合う拍子は悪く、合わない拍子をよしとします。拍子が合えば、敵の太刀遣いがよくなるのです。拍子が違えば、敵は太刀を使えません。敵の太刀が使いにくいように打つべきです。付けるのも越すのも、無拍子に打ちなさい。総じて、拍子に乗るのは悪です。
解説
打ち合いの拍子について、相手に合わせず外せと述べる短い段です。相手が一つ上がれば付けて打ち、一つ探れば越して打つと、拍子の取り方が示されます。続いて、合う拍子は悪く、合わない拍子がよいと言い切ります。理由は、拍子が合えば敵が太刀を使いやすくなるからです。付けるにも越すにも無拍子で打てとあり、拍子に乗ること自体を悪と見ます。三拍子という名の内訳は原文に書かれていないので、ここでは触れません。現代の仕事に置き換えると、相手のペースにのまれず、こちらの間合いと速度で動くことに当たります。会議や商談で相手の調子に同調しすぎると、主導権を失います。
この章句が説くこと
三拍子無拍子拍子間合い主導権兵法家伝書
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