群書治要 / 『群書治要』傅子・国家の棟梁をまず選ぶ
夫裁徑尺之帛、刊方寸之木、不任左右、必求良工者、裁帛刊木非左右之所能故也。徑尺之帛、方寸之木、薄物也。非良工不能裁之、况帝王之佐、經國之任、可不審擇其人乎。故構大廈者、先擇匠、然後簡材、治國家者、先擇佐、然後定民、大匠構屋、必大材為棟梁、小材為榱橑、苟有所中、尺寸之木無弃也。非獨屋有棟梁、國家亦然、大德為宰相、此國之棟梁也。審其棟梁、則經國之本立矣。經國之本立、則庶官無曠、而天工時叙矣。
新字:夫裁径尺之帛、刊方寸之木、不任左右、必求良工者、裁帛刊木非左右之所能故也。径尺之帛、方寸之木、薄物也。非良工不能裁之、況帝王之佐、経国之任、可不審択其人乎。故構大廈者、先択匠、然後簡材、治国家者、先択佐、然後定民、大匠構屋、必大材為棟梁、小材為榱橑、苟有所中、尺寸之木無弃也。非独屋有棟梁、国家亦然、大徳為宰相、此国之棟梁也。審其棟梁、則経国之本立矣。経国之本立、則庶官無曠、而天工時叙矣。
書き下し
夫れ径尺の帛を裁ち、方寸の木を刊るにも、左右に任せず、必ず良工を求むるは、帛を裁ち木を刊るは左右の能くする所に非ざるが故なり。径尺の帛、方寸の木は、薄物なり。良工に非ざれば之を裁つ能わず、況んや帝王の佐、経国の任は、其の人を審らかに択ばざる可けんや。故に大廈を構うる者は、先ず匠を択び、然る後に材を簡ぶ。国家を治むる者は、先ず佐を択び、然る後に民を定む。大匠の屋を構うるや、必ず大材を棟梁と為し、小材を榱橑と為し、苟くも中たる所有れば、尺寸の木も棄つる無きなり。独り屋に棟梁有るのみに非ず、国家も亦た然り。大徳は宰相と為す、此れ国の棟梁なり。其の棟梁を審らかにすれば、則ち経国の本立つ。経国の本立てば、則ち庶官曠しきこと無く、天工時に叙ず。
現代語訳
一尺四方ほどの布を裁ち、一寸四方ほどの木を削るにも、身近な者に任せず、必ず腕のよい職人を求めるのは、布を裁ち木を削ることが身近な者にできることではないからです。一尺の布や一寸の木は、つまらない物です。それでも良い職人でなければ裁てないのだから、まして帝王の補佐役や国を治める任務は、その人を慎重に選ばずにいられましょうか。ですから大きな家を建てる者は、まず棟梁を選び、それから材木を選びます。国家を治める者は、まず補佐役を選び、それから民を定めます。名棟梁が家を建てるとき、必ず大きな材を棟や梁にし、小さな材を垂木にし、少しでも用に合えば、尺寸の木も捨てません。家に棟梁があるだけでなく、国家も同じです。大きな徳のある人を宰相とする、これが国の棟梁です。その棟梁を慎重に定めれば、国を治める根本が立ちます。根本が立てば、多くの官職は空しくならず、天の務めは時に応じて整います。
解説

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