群書治要 / 『群書治要』政要論・衣一枚、登用一人にも心を配る
服一綵則念女功之勞、御一谷則恤農夫之勤、决不聽之獄、則懼刑之不中、進一士之爵、則恐官之失賢、賞毫氂之善、必有所勸、罰纖芥之惡、必有所沮。
新字:服一綵則念女功之労、御一谷則恤農夫之勤、決不聴之獄、則懼刑之不中、進一士之爵、則恐官之失賢、賞毫氂之善、必有所勧、罰繊芥之悪、必有所沮。
書き下し
一綵を服しては則ち女功の労を念い、一穀を御しては則ち農夫の勤を恤い、聴かざるの獄を決しては則ち刑の中らざるを懼れ、一士の爵を進めては則ち官の賢を失わんことを恐れ、毫氂の善を賞しては必ず勧むる所有らしめ、繊芥の悪を罰しては必ず沮む所有らしむ。
現代語訳
一枚の彩りある衣を身につけるときは、織る女たちの苦労を思い、一粒の穀物を口にするときは、農夫の勤めを思いやります。聞き入れられない訴えの裁きを決めるときは、刑が当を得ないことを恐れ、一人の士に爵位を進めるときは、官が賢者を取り違えないかを案じます。ごくわずかな善を賞するときは、必ず励みになるようにし、ごく小さな悪を罰するときは、必ず抑えになるようにします。
解説
『政要論』は魏の桓範の著とされ、君主の務めの重さを説く「為君難」の一節です。衣食のひとつひとつの背後にいる人の労苦を思い、裁きや登用の場面では間違いが起きないかを案じ、賞罰は小さな善悪にも励みと戒めになるよう行う、という姿勢を描きます。リーダーは決定の重さを日常の細部から感じ取るべきだという教えで、経費、評価、配置を決める立場にある人が、自分の判断を見直す基準になります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
為君難労苦を思う慎重賞罰登用細部
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