群書治要 / 『群書治要』中論・人の耳目を我が耳目とする
目也者、遠察天際而不能近見其眦、心亦如之、君子誠知心之似目也。是以務鑒於人以觀得失、故視不過垣牆之裏、而見邦國之表、聽不過閾耎之內、而聞千里之外、因人之耳目也。人之耳目盡為我用、則我之聰明無敵於天下矣。是謂人一之、我萬之、人塞之、我通之、故其高不可為員、其廣不可為方。
新字:目也者、遠察天際而不能近見其眦、心亦如之、君子誠知心之似目也。是以務鑒於人以観得失、故視不過垣牆之裏、而見邦国之表、聴不過閾耎之内、而聞千里之外、因人之耳目也。人之耳目尽為我用、則我之聰明無敵於天下矣。是謂人一之、我万之、人塞之、我通之、故其高不可為員、其広不可為方。
書き下し
目なる者は、遠く天際を察して近く其の眦を見る能わず、心も亦た之の如し。君子は誠に心の目に似たるを知る。是を以て務めて人に鑒みて以て得失を観る。故に視ること垣牆の裏に過ぎずして、邦国の表を見、聴くこと閾耎の内に過ぎずして、千里の外を聞くは、人の耳目に因ればなり。人の耳目尽く我が用と為れば、則ち我が聡明天下に敵無し。是を人は之を一にし、我は之を万にし、人は之を塞ぎ、我は之を通ずと謂う。故に其の高きは員と為す可からず、其の広きは方と為す可からず。
現代語訳
目は遠く天の果てまで見渡せても、すぐ近くの自分の目じりは見えません。心もそれと同じで、君子は心が目に似ていることをよく知っています。そこで努めて人を鑑として、物事の得失を見ます。垣根や壁の内側から出なくても国の外のことを見ることができ、戸口の内にいながら千里の外のことを聞けるのは、人の耳や目を借りるからです。人の耳目をすべて自分のために使えるなら、私の聡明さは天下に並ぶ者がなくなります。これを、人は一つしか見えなくても私は万を見、人が塞いでも私は通じさせる、といいます。ですからその高さは円では測れず、その広さは四角では測れません。
解説

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