五行大義 / 第二十二論諸官
則國昌民安。任非其人。則邦危民弊。易曰。鼎折足。覆公餗。此喻三公失人。如鼎折足。不堪容著也。周官云。天官冢宰。地官司徒。春官宗伯。夏官司馬。秋官司寇。冬官司空。冡宰主會計。司徒主土地。宗伯主禮樂。司馬主兵戎。司寇主刑罰。司空主造作。孔子曰。冢宰之官以成道。司徒之官以成德。宗伯之官以成仁。司馬之官以成聖。司寇之官以成義。司空之官以成禮。以之道則國治。以之德則國安。以之仁則國和。以之聖則國平。以之禮則國定。以之義則國成。故屬不理。分體不明。法正不一。百事失紀。曰亂。亂。則飭冢宰。地宜不殖。財物不蕃。萬民飢寒。教化不行。風俗漂亂。人民流散。曰危。危。則飭司徒。父子不親。長幼失序。君臣上下。乖離異志。曰不和。不和。則飭宗伯。賢能而失官爵。功勞而失賞祿。士卒疾怨。兵弱不用。曰不平。不平。則飭司馬。刑罰暴亂。姧邪不勝。曰不義。不義。則飭司寇。度量不審。舉失事理。都鄙不脩。財物失所。曰貧。貧。則飭司空。故古之王者。常以季冬考德正法。以觀治亂。德盛者。則脩法。德不盛者。則飭政。故法與政。盛而不衰。淮南子天文篇云。
新字:則国昌民安。任非其人。則邦危民弊。易曰。鼎折足。覆公餗。此喩三公失人。如鼎折足。不堪容著也。周官云。天官冢宰。地官司徒。春官宗伯。夏官司馬。秋官司寇。冬官司空。冡宰主会計。司徒主土地。宗伯主礼楽。司馬主兵戎。司寇主刑罰。司空主造作。孔子曰。冢宰之官以成道。司徒之官以成徳。宗伯之官以成仁。司馬之官以成聖。司寇之官以成義。司空之官以成礼。以之道則国治。以之徳則国安。以之仁則国和。以之聖則国平。以之礼則国定。以之義則国成。故属不理。分体不明。法正不一。百事失紀。曰乱。乱。則飭冢宰。地宜不殖。財物不蕃。万民飢寒。教化不行。風俗漂乱。人民流散。曰危。危。則飭司徒。父子不親。長幼失序。君臣上下。乖離異志。曰不和。不和。則飭宗伯。賢能而失官爵。功労而失賞禄。士卒疾怨。兵弱不用。曰不平。不平。則飭司馬。刑罰暴乱。姧邪不勝。曰不義。不義。則飭司寇。度量不審。舉失事理。都鄙不脩。財物失所。曰貧。貧。則飭司空。故古之王者。常以季冬考徳正法。以観治乱。徳盛者。則脩法。徳不盛者。則飭政。故法与政。盛而不衰。淮南子天文篇云。
書き下し
則ち国昌え民安し。任その人に非ざれば、則ち邦危うく民弊(つか)る。易に曰く、鼎(かなえ)足を折り、公の餗(そく)を覆す、と。此れ三公の人を失うは、鼎の足を折りて、容著に堪えざるが如きを喩うるなり。周官に云う、天官冢宰(ちょうさい)、地官司徒、春官宗伯、夏官司馬、秋官司寇、冬官司空。冢宰は会計を主り、司徒は土地を主り、宗伯は礼楽を主り、司馬は兵戎を主り、司寇は刑罰を主り、司空は造作を主る、と。孔子曰く、冢宰の官は以て道を成し、司徒の官は以て徳を成し、宗伯の官は以て仁を成し、司馬の官は以て聖を成し、司寇の官は以て義を成し、司空の官は以て礼を成す。之を以て道あれば則ち国治まり、之を以て徳あれば則ち国安く、之を以て仁あれば則ち国和し、之を以て聖あれば則ち国平らかに、之を以て礼あれば則ち国定まり、之を以て義あれば則ち国成る。故に属理まらず、分体明らかならず、法正一ならず、百事紀を失うを、乱と曰う。乱るれば則ち冢宰を飭(いまし)む。地宜殖えず、財物蕃(しげ)らず、万民飢寒し、教化行われず、風俗漂乱し、人民流散するを、危と曰う。危うければ則ち司徒を飭む。父子親しまず、長幼序を失い、君臣上下乖離して志を異にするを、不和と曰う。不和なれば則ち宗伯を飭む。賢能にして官爵を失い、功労ありて賞禄を失い、士卒疾怨し、兵弱くして用いられざるを、不平と曰う。不平なれば則ち司馬を飭む。刑罰暴乱し、姦邪勝えざるを、不義と曰う。不義なれば則ち司寇を飭む。度量審らかならず、挙げて事理を失い、都鄙修まらず、財物所を失うを、貧と曰う。貧なれば則ち司空を飭む。故に古の王者は、常に季冬を以て徳を考え法を正し、以て治乱を観る。徳盛んなる者は、則ち法を修め、徳盛んならざる者は、則ち政を飭む。故に法と政と、盛んにして衰えず、と。淮南子天文篇に云う、
現代語訳
国は栄え民は安らかである。任じた人がふさわしくなければ、国は危うくなり民は疲れる。『易』(鼎の卦)に「鼎が足を折り、公の食べ物をひっくり返す」という。これは、三公に人を得ないことを、鼎が足を折って中身を支えきれないことにたとえたのである。『周官』(『周礼』)にいう。天官の冢宰、地官の司徒、春官の宗伯、夏官の司馬、秋官の司寇、冬官の司空。冢宰は会計を主り、司徒は土地を主り、宗伯は礼楽を主り、司馬は兵事を主り、司寇は刑罰を主り、司空は造作(土木や器物づくり)を主る、と。孔子はいう。冢宰の官は道を成し遂げ、司徒の官は徳を成し遂げ、宗伯の官は仁を成し遂げ、司馬の官は聖を成し遂げ、司寇の官は義を成し遂げ、司空の官は礼を成し遂げる。これによって道があれば国は治まり、徳があれば国は安らかで、仁があれば国は和し、聖があれば国は平らかで、礼があれば国は定まり、義があれば国は成る。だから、部下が治まらず、職分の区別がはっきりせず、法の正しさが一つにならず、あらゆる事が筋道を失うことを乱という。乱れれば冢宰をいましめる。土地に合った作物が育たず、財物が増えず、万民が飢えこごえ、教化が行われず、風俗が乱れ漂い、人民が流れ散ることを危という。危うければ司徒をいましめる。父子が親しまず、年長と年少の順序が失われ、君臣上下が離れ背いて志を異にすることを不和という。不和であれば宗伯をいましめる。賢く有能な者が官爵を失い、功労のある者が褒賞と俸禄を失い、兵士が恨み、軍が弱くて役に立たないことを不平という。不平であれば司馬をいましめる。刑罰が乱暴で乱れ、よこしまな者を抑えきれないことを不義という。不義であれば司寇をいましめる。度量衡が正確でなく、事を挙げても道理を失い、都と田舎が整わず、財物が行き場を失うことを貧という。貧であれば司空をいましめる。だから昔の王者は、いつも季冬(十二月)に徳を考え法を正して、治乱のほどを観察した。徳が盛んであれば法を修め、徳が盛んでなければ政治をいましめ整えた。だから法と政治は、盛んなまま衰えなかったのである、と。『淮南子』天文訓にいう。
解説
この章句が説くこと
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