五行大義 / 第六論五行相雑・一者論五行体雑
那得石復有火。此是火性弱。故能入堅。而水中無金。是堅不能入弱。木生於水。木中含水。金能生水。金中含水。所以水中無金木者。金木在水中。不得言水體有金木。溼潤在木石中。木石便得有水義。此亦是弱能入堅。堅不能入弱。炎州有樹。生於火中。此非火能生樹。是火不能燒樹。亦非火在樹中。乃是樹在火中。而體不相雜。無異金在水中。而不能雜水體。亦如海中陰火潛燃。此水中有火。但非水體雜火。此稍涉靈奇。亦非五行常準。又木中有火。火還燒木。此是生火方盛。故能燒木。石中有火。火不燒石。是火至金鄕。氣巳衰。故不能燒石。其以火消金者。亦取其盛。故能爍金。是不取衰火。猶如金能剋木。鉛錫不能斷。此是不堅之金也。土性包含。無所不受。故土中皆備有水金木火。火非直陽氣。猶如范陽地燃。是陰也。土火不相害。雖不恒爾。不得言無。等是四行。何故獨爾。土既居地。地卽是陰。火卽是太陽之氣。故不得恒有也。
新字:那得石復有火。此是火性弱。故能入堅。而水中無金。是堅不能入弱。木生於水。木中含水。金能生水。金中含水。所以水中無金木者。金木在水中。不得言水体有金木。湿潤在木石中。木石便得有水義。此亦是弱能入堅。堅不能入弱。炎州有樹。生於火中。此非火能生樹。是火不能焼樹。亦非火在樹中。乃是樹在火中。而体不相雑。無異金在水中。而不能雑水体。亦如海中陰火潜燃。此水中有火。但非水体雑火。此稍渉霊奇。亦非五行常準。又木中有火。火還焼木。此是生火方盛。故能焼木。石中有火。火不焼石。是火至金郷。気巳衰。故不能焼石。其以火消金者。亦取其盛。故能爍金。是不取衰火。猶如金能剋木。鉛錫不能断。此是不堅之金也。土性包含。無所不受。故土中皆備有水金木火。火非直陽気。猶如范陽地燃。是陰也。土火不相害。雖不恒爾。不得言無。等是四行。何故独爾。土既居地。地即是陰。火即是太陽之気。故不得恒有也。
書き下し
那(なん)ぞ石に復た火有るを得んや。此れは是れ火の性弱し、故に能く堅に入る。而して水中に金無きは、是れ堅は弱に入ること能わざればなり。木は水より生じ、木中に水を含む。金は能く水を生じ、金中に水を含む。所以に水中に金木無きは、金木水中に在るも、水の体に金木有りと言うを得ず。湿潤は木石の中に在り、木石便ち水の義有るを得。此れも亦是れ弱は能く堅に入り、堅は弱に入ること能わざるなり。炎州に樹有り、火中に生ず。此れ火能く樹を生ずるに非ず、是れ火、樹を焼くこと能わざるなり。亦火の樹中に在るに非ず、乃ち是れ樹、火中に在りて、体相雑らず。金の水中に在りて、水の体に雑ること能わざるに異なる無し。亦海中の陰火潜かに燃ゆるが如し。此れ水中に火有るも、但だ水の体、火を雑うるに非ず。此れ稍(やや)霊奇に渉り、亦五行の常準に非ず。又木中に火有りて、火還りて木を焼く。此れは是れ生火方に盛ん、故に能く木を焼く。石中に火有りて、火、石を焼かず。是れ火金郷に至り、気已に衰う、故に石を焼くこと能わず。其の火を以て金を消すは、亦其の盛んなるを取る、故に能く金を爍(と)かす。是れ衰火を取らず。猶お金能く木を剋するも、鉛錫は断つこと能わざるがごとし。此れは是れ堅からざるの金なり。土の性は包含し、受けざる所無し、故に土中には皆水金木火を備え有す。火は直だ陽気のみに非ず、猶お范陽(はんよう)の地燃ゆるがごとし、是れ陰なり。土火相害せず、恒には爾らずと雖も、無しと言うを得ず。等しく是れ四行、何故に独り爾るや。土既に地に居り、地は即ち是れ陰なり。火は即ち是れ太陽の気、故に恒には有るを得ざるなり。
現代語訳
(火は金を剋すのに)どうして石(金の類)の中にまた火があるのだろうか。これは火の性質が弱いので、堅いものの中に入り込むことができるからである。そして水の中に金がないのは、堅いものは弱いものの中に入り込めないからである。木は水から生じ、木の中に水を含んでいる。金は水を生むことができ、金の中に水を含んでいる。それなのに水の中に金や木がないというのは、金や木が水の中にあっても、水の本体に金や木があるとはいえないからである。湿り気や潤いは木や石の中にあるので、木や石には水の意味があるといえる。これもまた、弱いものは堅いものに入り込めるが、堅いものは弱いものに入り込めないということである。炎州(南方の火の国)には火の中に生える樹があるという。これは火が樹を生むのではなく、火が樹を焼くことができないのである。また火が樹の中にあるのでもなく、樹が火の中にあって、本体どうしは混じり合わないのである。金が水の中にあっても水の本体に混じり合えないのと変わりはない。また海の中で陰の火がひそかに燃えるというようなものもある。これは水の中に火があるのだが、水の本体が火を混じえているわけではない。これらはいささか霊妙で不思議なことに関わり、五行の通常の基準ではない。また木の中に火があって、その火がかえって木を焼く。これは生まれたばかりの火がまさに盛んなので、木を焼くことができるのである。石の中に火があっても、その火は石を焼かない。これは火が金の郷に至って、気がすでに衰えているので、石を焼くことができないのである。火で金を溶かすというのも、やはり盛んな火をとっていうので、それで金を溶かすことができる。衰えた火をとっていうのではない。ちょうど金は木を剋すことができるが、鉛や錫では木を断ち切れないようなものである。これは堅くない金なのである。土の性質は包み込むことで、受け入れないものはない。だから土の中には水・金・木・火のすべてがそろっている。火はただの陽の気だけではない。范陽(今の河北省)で地面が燃えるようなものは陰の火である。土と火は互いを害さない。いつもそうだとは限らないが、ないとはいえない。同じ四行なのに、どうして土だけがそうなのか。土は地にあって、地は陰である。火は大いなる陽の気なので、いつも土の中にあるとはいえないのである。
解説
この章句が説くこと
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