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言志四録 / 言志耋録 第三百二十八条 日中の日に盛徳大業

人生二十至三十。如方出之日。四十至六十。如日中之日。盛德大業。在此時候。七十八十。則衰頽蹉跎。如將落之日。無能爲耳。少壯者宜及時勉强以成大業。罔或遲暮之嘆。可也。

新字:人生二十至三十。如方出之日。四十至六十。如日中之日。盛徳大業。在此時候。七十八十。則衰頽蹉跎。如将落之日。無能為耳。少壮者宜及時勉強以成大業。罔或遅暮之嘆。可也。

書き下し

人生は二十より三十に至るまで、方に出づるの日の如し。四十より六十に至るまで、日中の日の如し。盛徳大業は、此の時候に在り。七十・八十は、則ち衰頽蹉跎として、将に落ちんとするの日の如く、能く為すこと無きのみ。少壮の者は宜しく時に及びて勉強し、以て大業を成し、或は遅暮の嘆罔くして可なり。

現代語訳

人生は、二十歳から三十歳までは昇りはじめたばかりの太陽のようである。四十歳から六十歳までは、真昼の太陽のようである。盛んな徳と大きな事業は、この時期にこそなされる。七十歳、八十歳になると、衰えてつまずきがちになり、沈みかけた太陽のように、もう何もなしえない。若く盛んな者は、時機を逃さずに努め励んで大きな事業を成し遂げ、年老いてから嘆くことのないようにするのがよい。

解説

人生を太陽の運行にたとえた一条です。二十代は昇る朝日、四十から六十は中天の日、七十・八十は沈みかけた夕日。盛んな徳も大きな事業も中天の時期に成るのであり、老いてからはもう何もできないと、八十歳の一斎は率直に言います。一斎は『言志晩録』で、少にして学べば壮にして為す有り、という三学の条を残していますが、本条はそれを自らの晩年から振り返った言葉とも読めます。だからこそ若い者は時を逃さず励め、というのです。自分がいまどの時間帯にいて、その時にしかできないことは何か、人生の段階を見渡して考えるきっかけになります。

この章句が説くこと

人生時機勉強老い大業

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