言志四録 / 言志耋録 第三百二十五条 決断無きを患ふ
老人不患無持重。患無决斷。
新字:老人不患無持重。患無決断。
書き下し
老人は持重無きを患へず、決断無きを患ふ。
現代語訳
老人は慎重さがないことを心配する必要はない。決断力がないことを心配すべきである。
解説
老人の弱点は軽率さではなく、決断できないことにあるという一条です。一一四〇条では老人は気が急くと述べていましたが、ここでは逆に、慎重さはもう十分にあり、むしろ決められないことが問題だと言います。経験を積むほど先の危険が見え、あれこれ考えて踏み切れなくなるのでしょう。一一四七条で挙げた畏縮・過慮とも重なります。一見矛盾する指摘が並ぶのは、老いが急ぎと迷いの両方を生むという観察を示しているのかもしれません。経験豊かな人ほど慎重さを美徳と考えがちですが、決めるべき時に決めないことの損失を見過ごしていないか、考えさせる条です。
この章句が説くこと
決断老い持重リーダーシップ
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