言志四録 / 言志耋録 第三百五条 食物は薬餌と視るべし
老人於食物。宜視爲藥餌。有分量。有加減。又有生熟之度。
新字:老人於食物。宜視為薬餌。有分量。有加減。又有生熟之度。
書き下し
老人の食物に於けるは、宜しく視て薬餌と為すべし。分量有り。加減有り。又生熟の度有り。
現代語訳
老人は食べ物について、薬と同じようにみなすのがよい。適量があり、増やしたり減らしたりする加減があり、また生で食べるか煮て食べるかの程合いもある。
解説
前条の「薬に因りて病を発す」を受けて、今度は食べ物を薬とみなせと言います。薬には決まった分量があり、症状に応じて増減し、煎じ方にも決まりがあるように、老人の食事も量と加減、生か火を通すかの程合いを考えて摂るべきだというのです。食を楽しみでなく養いの手段として扱う、実に具体的な老いの心得です。八十歳の一斎が自分の日々の食卓を見つめて書いたことがうかがえます。毎日繰り返すことほど量と質の管理が効いてくるという考え方は、健康に限らず、日々の業務や習慣の設計にも通じるものがあるでしょう。
この章句が説くこと
養生食節度老い
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