言志四録 / 言志耋録 第二百四十四条 天は地に資りて万物泰し
天資於地。而萬物泰。水資於火。而天功濟。人倫五敎。皆具此理。而家國治。須善省察而自得焉。
新字:天資於地。而万物泰。水資於火。而天功済。人倫五教。皆具此理。而家国治。須善省察而自得焉。
書き下し
天は地に資りて、万物泰し。水は火に資りて、天功済る。人倫五教も、皆此の理を具へて、家国治まる。須らく善く省察して自得すべし。
現代語訳
天が地に助けを得ることで、万物は安泰となる(地天泰の卦)。水が火に助けを得ることで、天の働きは成就する(水火既済の卦)。人倫の五つの教え(父子・君臣・夫婦・長幼・朋友の道)も、みなこの道理を備えていて、それによって家も国も治まる。よく省みて、自ら会得しなければならない。
解説
易の泰と既済の二卦から、上下が交わることの大切さを説いた一条です。泰の卦は地が上に天が下にあり、上にあるべきものが下り、下にあるべきものが上って交わることで、万物が通じて安泰になる形です。既済の卦は水が上、火が下にあり、水が火に熱せられて煮炊きが成り立つ形です。どちらも、異なる性質のものが位置を入れ替えて交わるところに、成就があると示しています。一斎はこれを父子・君臣・夫婦・長幼・朋友の人倫にも当てはめます。上に立つ者がへりくだり、下の者が上に通じることで家も国も治まるというわけです。上司と部下、部門と部門が本当に交わっているかを考えさせる一条です。
この章句が説くこと
易交わり人倫上下為政
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