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言志四録 / 言志耋録 第二百四十六条 天地の用は水火

天地之用。莫大於水火。天地體也。滿世界皆水火也。故可敬者。莫如水火。可懼者。亦莫如水火焉。

新字:天地之用。莫大於水火。天地体也。満世界皆水火也。故可敬者。莫如水火。可懼者。亦莫如水火焉。

書き下し

天地の用は、水火より大なるは莫し。天地は体なり。満世界は皆水火なり。故に敬すべき者は、水火に如くは莫く、懼るべき者も、亦水火に如くは莫し。

現代語訳

天地の働きのうち、水と火より大きなものはない。天地は本体であり、世界中に満ちているのはすべて水と火の働きである。だから敬うべきものとして水と火に及ぶものはなく、恐れるべきものとしてもまた水と火に及ぶものはない。

解説

前条を受けて、水と火を天地の働きそのものとして位置づけた一条です。一斎は、天地を本体(体)とし、その働き(用)の最大のものが水と火であると言います。体と用は宋学でよく使われる対概念で、ものの本体とその作用を分けて考える枠組みです。世界に満ちているものはすべて水と火の働きであり、だからこそ最も敬うべきものであり、最も恐れるべきものでもある。前条の「生殺の権」を、敬と懼という人の側の態度に置き換えているのが特色です。敬うことと恐れることは、別々の感情ではなく、力の大きさを正しく知ることから同時に生まれるものだと気づかせてくれる一条です。

この章句が説くこと

水火体用敬畏れ自然

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