言志四録 / 言志耋録 第八十三条 天地に参ずる所以
天道。無變化而有變化。地道。有變化而無變化。我立於兩間。仰觀俯察。裁成而輔相之。乃是人道之變化。所以參天地也。
新字:天道。無変化而有変化。地道。有変化而無変化。我立於両間。仰観俯察。裁成而輔相之。乃是人道之変化。所以参天地也。
書き下し
天道は、変化無くして変化有り。地道は、変化有りて変化無し。我両間に立ち、仰いで観、俯して察し、裁成して之を輔相す。乃ち是れ人道の変化にして、天地に参ずる所以なり。
現代語訳
天の道は、変化がないようでいて変化がある。地の道は、変化があるようでいて変化がない。私は天と地の間に立って、仰いでは天を観察し、伏しては地を観察し、その働きをほどよく整え、助ける。これこそが人の道の変化であり、人が天地と並んで三才の一つとなるゆえんである。
解説
天・地・人の三才における人の役割を述べた条です。天の道は変わらないようで実は絶えず変化し、地の道は変化があるようで根本は変わらない。人はその間に立ち、仰いで天を観、伏して地を察し、天地の働きを「裁成輔相」する、つまりほどよく整え、助けるのだと一斎は言います。この語は『易経』泰卦の象伝に由来し、『中庸』の「天地の化育を賛く」「天地に参ずべし」にもつながります。人は自然に従うだけの存在でも、自然を支配する存在でもなく、天地の働きを整え助けることで天地と並び立つ。自分の立場で、与えられた条件をどう整え、どう活かすかという構えを考えさせる一条です。
この章句が説くこと
天地人三才裁成輔相人道変化
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