言志四録 / 言志録 第百七十八条 教は父道、養は母道
爲邦之道。不出於敎養二途。敎。乾道也。父道也。養。坤道也。母道也。
新字:為邦之道。不出於教養二途。教。乾道也。父道也。養。坤道也。母道也。
書き下し
邦を為むるの道は、教養の二途に出でず。教は乾道なり、父道なり。養は坤道なり、母道なり。
現代語訳
国を治める道は、教えることと養うことの二つを出ない。教えは天(乾)の道であり、父の道である。養うことは地(坤)の道であり、母の道である。
解説
国を治める道を「教」と「養」の二つに集約した一条です。人々の暮らしを成り立たせる「養」と、人としての道を示す「教」。一斎はこれを易の乾と坤、つまり天と地、父と母の働きになぞらえます。乾は創始し導く力、坤は受け入れ育む力です。父が方向を示し、母が育むように、為政者は教え導くことと、生活を支えることの両方を担わねばならないということです。孟子も、民の生活を安定させてから教えよと説きました。前の条で君師一体を論じたことを受けて、君主の務めの中身を示したものと読めます。組織においても、方向を示すことと人を支え育てることの両方が要ることを考えさせる一条です。
この章句が説くこと
為政教養乾坤父母リーダーシップ
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