言志四録 / 言志耋録 第二百四十三条 既済未済の象
凡物有輕重。有虛實。以成變化。皆既未濟之象也。聖人既立此象。以示人。而人未識其玅。須善翫索而得之。
新字:凡物有軽重。有虚実。以成変化。皆既未済之象也。聖人既立此象。以示人。而人未識其玅。須善翫索而得之。
書き下し
凡そ物には軽重有り、虚実有りて、以て変化を成す。皆既済・未済の象なり。聖人既に此の象を立てて、以て人に示す。而るに人未だ其の妙を識らず。須らく善く翫索して之を得べし。
現代語訳
およそ物には軽いものと重いもの、虚なるものと実なるものがあって、それによって変化が生じる。これらはみな易の既済・未済の卦の象である。聖人はすでにこの象を立てて人に示している。ところが人はまだその妙味を知らない。よく味わい探究して、それを会得しなければならない。
解説
易の最後の二卦、既済と未済に、万物の変化の原理を見た一条です。既済は水が上に火が下にあって、すでに事が成った形、未済は火が上に水が下にあって、まだ成らない形を表します。軽いものと重いもの、虚と実が組み合わさって変化が起こるのは、この水と火の上下の関係と同じだと一斎は見ます。易が完成を意味する既済で終わらず、未完の未済で閉じられていることもよく知られています。一斎は、聖人がすでに示しているのに人はその妙を知らないとして、自分で味わい探れと促します。続く数条で水と火を論じる前置きにもなっています。物事を完成したものとしてでなく、変化の途中として見る視点を与えてくれます。
この章句が説くこと
易変化既済未済陰陽自得
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