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言志四録 / 言志耋録 第二百十五条 毀誉は其の半ばを聞く

聞人之毀譽人。大抵聞其半。可也。劉向謂譽人不增其義。則聞者不快於心。毀人不益其惡。則聽者不滿於耳。此言可謂盡人情矣。

新字:聞人之毀誉人。大抵聞其半。可也。劉向謂誉人不增其義。則聞者不快於心。毀人不益其悪。則聴者不満於耳。此言可謂尽人情矣。

書き下し

人の人を毀誉するを聞くは、大抵其の半ばを聞きて、可なり。劉向謂ふ、「人を誉むるに其の義を増さざれば、則ち聞く者心に快からず。人を毀るに其の悪を益さざれば、則ち聴く者耳に満たず」と。此の言、人情を尽くすと謂ふべし。

現代語訳

人が他人を褒めたり謗ったりするのを聞くときは、たいてい半分くらいに聞いておけばよい。劉向(前漢の学者)は「人を褒めるときにその美点を大げさに言わなければ、聞く者は心に快く思わない。人を謗るときにその悪を誇張しなければ、聞く者は耳に物足りなく思う」と言った。この言葉は人情をよく言い尽くしていると言える。

解説

人の噂話は半分に割り引いて聞け、という実践的な知恵です。一斎は前漢の学者劉向の言葉を引いて、その理由を示します。褒めるときは話を盛らなければ聞き手が喜ばず、けなすときは悪く言い足さなければ聞き手が満足しない。話す側に誇張の動機があり、聞く側もそれを求めているのだから、伝わる評判はどちらに転んでも実際より大きくなる、というわけです。前条では自分に向けられた毀誉を扱い、ここでは第三者についての毀誉を扱っています。人事評価や採用の場面で、評判や推薦の言葉をどう割り引き、何で確かめるかを考えるうえで示唆のある一条です。

この章句が説くこと

毀誉人情人を見る目噂判断

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