言志四録 / 南洲手抄
毀譽得喪、眞是人生之雲霧、使人昏迷。一掃此雲霧、則天青日白。
新字:毀誉得喪、真是人生之雲霧、使人昏迷。一掃此雲霧、則天青日白。
書き下し
毀誉得喪は、真に是れ人生の雲霧、人をして昏迷せしむ。此の雲霧を一掃せば、則ち天青く日白し。
現代語訳
悪口や称賛、成功や失敗は、まさに人生を覆う雲や霧であり、人を迷わせる。この雲霧を一掃すれば、空は青く澄み、太陽は白く輝く。
解説
毀誉褒貶や損得は、人の目を曇らせる雲や霧のようなものだと一斎は言います。他人の評価や目先の得失に一喜一憂しているうちは、物事の本質が見えません。しかしその霧を心から払い去れば、青空と白日のように、進むべき道がくっきりと見えてくる。評価やSNSの反応に心を乱されがちな現代にこそ響く比喩です。まず自分の心を晴らすこと——それが正しく判断し行動するための前提になります。西郷隆盛がこの一条を選んだ心境も、うかがい知れる気がします。
この章句が説くこと
毀誉褒貶損得心の曇り明鏡
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