言志四録 / 言志耋録 第二百十一条 毀誉並びに我に益有り
有名者。勿誇其名。宜自勗所以副名。承毀者。勿避其毀。宜自求所以來毀。如是著功。毀譽竝於我有益。
新字:有名者。勿誇其名。宜自勗所以副名。承毀者。勿避其毀。宜自求所以来毀。如是著功。毀誉並於我有益。
書き下し
名有る者は、其の名を誇ること勿れ。宜しく自ら名に副ふ所以を勗むべし。毀りを承くる者は、其の毀りを避くること勿れ。宜しく自ら毀りを来す所以を求むべし。是くの如く功を著くれば、毀誉並びに我に於て益有り。
現代語訳
名声のある者は、その名を誇ってはならない。自ら名声に見合うよう努めるべきである。非難を受けた者は、その非難から逃げてはならない。自ら非難を招いた理由を探るべきである。このように工夫を重ねれば、非難も称賛もともに自分にとって益となる。
解説
称賛と非難のどちらをも自己修養の糧に変える方法を説いた条です。名声を得た者は、それを誇るのではなく、名に実が追いつくよう努める。称賛を自分への課題として受け止めるわけです。非難を受けた者は、弁解したり逃げたりせず、なぜ非難を招いたかを自分の内に求める。非難を自分を映す鏡とするわけです。「功を著く」は、そのように工夫を重ねることを言います。こうすれば毀誉はどちらも自分を損なうものではなく、成長の材料になる。言志録の「毀誉は人生の雲霧」と並べて読むと、晩年の一斎が毀誉を払うだけでなく活かす段階に進んでいることが分かります。評価やフィードバックへの向き合い方を考えさせる条です。
この章句が説くこと
毀誉反省修養名と実フィードバック
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