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言志四録 / 言志耋録 第二百五条 名利は厭ふべきに非ず

名不干而來者。實也。利不貪而至者。義也。名利非可厭。但干與貪之爲病耳。

新字:名不干而来者。実也。利不貪而至者。義也。名利非可厭。但干与貪之為病耳。

書き下し

名の干めずして来る者は、実なり。利の貪らずして至る者は、義なり。名利は厭ふべきに非ず。但干むると貪るとの病為るのみ。

現代語訳

求めずともやって来る名声は、実質の伴ったものである。貪らずとも手に入る利益は、義にかなったものである。名声や利益そのものは嫌うべきものではない。ただ、それを求めること、貪ることが病なのである。

解説

ここから名と利、毀誉をめぐる条が続きます。儒者はしばしば名利を卑しむものとされますが、一斎は名声や利益そのものを否定しません。求めずに向こうからやって来る名声は、実力が伴っている証であり、貪らずに得た利益は正当な対価だからです。問題は、名を「干める」こと、利を「貪る」ことという心の構えにある、と一斎は整理します。『論語』里仁篇の「富と貴とは是れ人の欲する所なり。其の道を以てせずして之を得れば処らざるなり」にも通じる考え方です。報酬や評価を求めることを後ろめたく思う必要はない。ただ、それを目的にした瞬間に仕事の質が変わってしまうことを考えさせます。

この章句が説くこと

名利義無欲実と名

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