言志四録 / 言志耋録 第百八十条 一話一言も徒らに聞く勿れ
人之一話一言。勿徒聞。必有好歹可辨。
新字:人之一話一言。勿徒聞。必有好歹可弁。
書き下し
人の一話一言も、徒らに聞くこと勿れ。必ず好歹の弁ずべき有り。
現代語訳
人のひと言ひと話も、ただ漫然と聞き流してはならない。そこには必ず良し悪しを見分けるべきものがある。
解説
聞くことの心構えを説いた条です。何気ない雑談や一言の中にも、その人の考え方や心の向きが表れ、また学ぶべき善い点や戒めとすべき悪い点が含まれています。「好歹」は良し悪しを指す口語的な語です。一斎は、話を聞くことを受け身の行為とせず、常に吟味しながら聞けと言います。これは人を見る目についての前後の条とも連なり、言葉こそ人を知る最良の手がかりだという立場が一貫しています。同時に、どんな人の言葉にも自分の糧となるものがあるという、学ぶ者としての謙虚さも含まれています。会議や面談で相手の話をどこまで注意深く聞けているか、自らを振り返るきっかけになります。
この章句が説くこと
傾聴言語弁別人を見る目
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