言志四録 / 言志耋録 第百六十七条 事へ易きは君子
易親者小人。難狎者君子。難事者小人。易事者君子。
書き下し
親しみ易き者は小人なり。狎れ難き者は君子なり。事へ難き者は小人なり。事へ易き者は君子なり。
現代語訳
親しくなりやすいのは小人であり、なれなれしくしにくいのは君子である。仕えにくいのは小人であり、仕えやすいのは君子である。
解説
君子と小人を、付き合いやすさと仕えやすさという二つの面から見分ける一条です。後半は『論語』子路篇の「君子は事へ易くして説ばしめ難し、小人は事へ難くして説ばしめ易し」を踏まえています。小人は愛想がよく近づきやすいが、機嫌次第で求めが変わるので仕えにくい。君子は威儀があってなれなれしくできないが、道理に従って人を使い、相手の器に応じて求めるので仕えやすい。第一印象の親しみやすさと、実際に下で働くときのやりやすさは逆になりがちだという指摘です。人を見るときの目安になると同時に、自分が部下にとってどちらの上司であるかを振り返る材料にもなるでしょう。
この章句が説くこと
君子と小人人を見る目上司人間関係
関連する章句
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尚書・盤庚上人は惟れ旧きを求め、器は旧きを求むるに非ず、惟れ新しきを求む。
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論語・為政篇子曰く、君子は周して比せず、小人は比して周せず。
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葉隠・聞書第十一諸人(しょにん)主君に思い附(つ)き、諸朋輩(しょほうばい)思い合うこと肝要(かんよう)なり。斯様(かよう)に仕(し)なす樣(よう)これあるなり。たとえ、御主人朋輩の内に惡(あ)しき事ありとも、それに理を附けて褒めて置くまでなり。斯様々々(かようかよう)に宜(よろ)しからざることありと聞きては、その儘(まま)隔たるものなり。人の心はやさしきものなる故(ゆえ)、移り易(やす)きものなり。よき事ありと聞きては、その儘思い附くものなり。諸人主君に思い附き、諸朋輩思い合う様にするは、及ばざる事の様なれども、一人の力にて確かになるものなりと。
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