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言志四録 / 言志耋録 第百六十八条 本に似たる末

事有本末。固已分明。但有似本之末。有似末之本。不可不致察。

書き下し

事に本末有ること、固より已に分明なり。但だ本に似たるの末有り、末に似たるの本有り。察を致さざるべからず。

現代語訳

物事に根本と末節があることは、もとより明らかである。ただ、根本に見えて実は末節であるものがあり、末節に見えて実は根本であるものがある。よくよく見極めなければならない。

解説

『大学』の「物に本末有り、事に終始有り」を踏まえ、本と末の区別が理屈では明らかでも、実際にはまぎらわしいものがあると注意を促した一条です。いかにも大事そうに見えて実は枝葉にすぎないこと、取るに足らないように見えて実は根本にかかわること。本末を分けよという原則を知っているだけでは足りず、個々の事柄についてどちらなのかを見抜く「察」が要ると一斎は言います。目立つ数字や派手な施策が本に見え、日々の小さな約束や挨拶が末に見えることは珍しくありません。優先順位を決めるとき、その判断が見かけに引きずられていないかを点検する手がかりになる一条です。

この章句が説くこと

本末優先順位洞察判断

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