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言志四録 / 言志耋録 第百三十八条 易に居て命を俟つ

君子。居易以俟命。居易。只是安分。命則當以不俟而俟之。

新字:君子。居易以俟命。居易。只是安分。命則当以不俟而俟之。

書き下し

君子は易に居て以て命を俟つ。易に居るは、只だ是れ分に安んずるなり。命は則ち当に俟たざるを以て之を俟つべし。

現代語訳

君子は平らかな境地に身を置いて天命を待つ(『中庸』)。「易に居る」とは、ただ自分の分に安んじることである。天命のほうは、待とうとせずに待つ、という心構えで待つべきである。

解説

『中庸』の「君子は易に居て以て命を俟ち、小人は険を行ひて以て幸ひを徼む」を解き明かした一条です。「易に居る」を一斎は、ことさらな策を弄さず自分の分に安んじることだと説きます。面白いのは後半で、天命は「俟たざるを以て之を俟つ」、つまり待とうと身構えずに待つべきだと言う点です。結果を今か今かと待ちわびれば、心はかえって落ち着かず、焦りから険しい道に踏み込むことにもなりかねません。為すべきことを為したら、あとは結果を気に病まない。前後の条で説かれる自得や順逆の議論とも通じる考え方です。成果の出る時期を自分で決められない仕事に向き合うとき、ひとつの構えとして参考になります。

この章句が説くこと

天命安分待つ中庸心術

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