言志四録 / 言志耋録 第百三十二条 逆境には順を以て処す
遭逆境者。宜以順處之。居順境者。宜不忘逆境。
新字:遭逆境者。宜以順処之。居順境者。宜不忘逆境。
書き下し
逆境に遭ふ者は、宜しく順を以て之に処すべし。順境に居る者は、宜しく逆境を忘れざるべし。
現代語訳
逆境に出会った者は、順境にいるときのような平らかな心でこれに対処するのがよい。順境にいる者は、逆境を忘れないのがよい。
解説
前条の「患は易心に生ず」を受けて、逆境と順境それぞれの心構えを対にして述べた一条です。逆境にあっては、うろたえたり嘆いたりせず、順境にいるときと同じ落ち着いた心で事に当たる。順境にあっては、いつか来るかもしれない逆境を忘れず、備えを怠らない。どちらも、目の前の境遇に心を引きずられないという一点で共通しています。一斎自身、老年に至るまで儒官として浮き沈みの多い世を見てきた人でした。苦境で冷静さを保つことと、好調なときに次の危機を想定しておくこと。組織を預かる人にとっては、この二つをどう両立させるかが問われる場面が少なくないはずです。
この章句が説くこと
逆境順境平常心備え処世
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