言志四録 / 言志耋録 第九十九条 立誠は竪、居敬は横
立誠。似柱礎。是竪工夫。居敬。似棟梁。是橫工夫。
新字:立誠。似柱礎。是竪工夫。居敬。似棟梁。是横工夫。
書き下し
誠を立つるは、柱礎に似たり、是れ竪の工夫なり。敬に居るは、棟梁に似たり、是れ横の工夫なり。
現代語訳
誠を立てることは、柱と礎石に似ており、これは縦の工夫である。敬を保つことは、棟木と梁に似ており、これは横の工夫である。
解説
誠と敬という儒学の二本柱を、家の骨組みにたとえた一条です。誠を立てることは柱と礎石にあたり、地面から垂直に立ち上がる「竪」の工夫。敬を保つことは棟木や梁にあたり、柱と柱を水平につないで全体を支える「横」の工夫だと言います。一斎は別の条でも聡明の「横」と「竪」を論じており、縦横で物事をとらえるのを好みました。柱だけでは家は立たず、梁だけでは支えがありません。誠という芯が立ち、敬がそれを日々の振る舞いの隅々までつなぐことで、はじめて人としての構えが組み上がる。自分の仕事や組織の骨組みを、芯とつなぎの両面から点検してみるきっかけになる比喩です。
この章句が説くこと
誠敬立誠居敬修養
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