言志四録 / 言志耋録 第九十五条 労逸は相離れず
身勞則心逸。身逸則心勞。勞逸竟不相離異。
新字:身労則心逸。身逸則心労。労逸竟不相離異。
書き下し
身労すれば則ち心逸し、身逸すれば則ち心労す。労逸は竟に相離異せず。
現代語訳
身体が骨を折って働けば心は安らかであり、身体が楽をしていれば心が苦しむ。労苦と安楽とは、結局のところ互いに切り離されたものではない。
解説
体を動かして働いていると心はかえって安らぎ、体が暇をもてあますと心が落ち着かず苦しくなる。一斎は、労と逸、苦労と安楽を別々のものとせず、表裏をなすものと見ています。怠けて楽をしているつもりでも、心はむしろ不安や退屈に疲れている。逆に、体を使って打ち込んでいるとき、心は案外すっきりしているものです。『国語』には、民は労すれば善心が生じ、逸すれば悪心が生じるという言葉があり、一斎の考えもこの伝統につながります。休むことの大切さが強調される今日ですが、休み方と働き方の配分を体と心の両面から考え直す手がかりとして読める条です。
この章句が説くこと
労逸心身勤労休息心の安らぎ
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