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言志四録 / 言志耋録 第八十六条 不易の易

古人釋易字爲不易。試思晦朔變而晝夜不易。寒暑變而四時不易。死生變而生生不易。古今變而人心不易。是之謂不易之易。

新字:古人釈易字為不易。試思晦朔変而昼夜不易。寒暑変而四時不易。死生変而生生不易。古今変而人心不易。是之謂不易之易。

書き下し

古人易の字を釈して不易と為す。試みに思へ、晦朔変じて昼夜易らず、寒暑変じて四時易らず、死生変じて生生易らず、古今変じて人心易らず。是を之れ不易の易と謂ふ。

現代語訳

昔の人は「易」の字を「不易(変わらない)」と解釈した。試しに考えてみよ。月の満ち欠けは変わっても昼と夜の交替は変わらない。寒さ暑さは変わっても四季のめぐりは変わらない。死と生は移り変わっても、生命が生まれ続けることは変わらない。昔と今は変わっても、人の心は変わらない。これを「不易の易(変わらないものとしての変化)」というのである。

解説

漢代の『易緯』などは「易」の字に、簡易・変易・不易の三つの意味があると説きました。一斎はその中の「不易」に注目し、変化の中に変わらないものがあることを四つの例で示します。月の満ち欠けは変わっても昼夜の交替は変わらない。寒暑は変わっても四季のめぐりは変わらない。死生は移っても生命が生まれ続けることは変わらない。そして時代は変わっても人の心は変わらない。変化の奥にある不変のものを見よ、という教えです。「能く変ず、故に変無し」の条とも響き合います。技術や制度がどれほど変わっても、人の心の働きは変わらない。この認識は、古典を読むことの意味そのものを示しているとも言えるでしょう。

この章句が説くこと

不易変易易人心普遍

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