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言志四録 / 言志録 第四条 天道は漸を以て運る

天道以漸運。人事以漸變。必至之勢。不能郤之使遠。又不能促之使速。

新字:天道以漸運。人事以漸変。必至之勢。不能郤之使遠。又不能促之使速。

書き下し

天道は漸を以て運り、人事は漸を以て変ず。必至の勢は、之を郤けて遠からしむること能はず、又之を促して速かならしむること能はず。

現代語訳

天の道は少しずつ徐々にめぐり、人の世の事も少しずつ徐々に変わっていく。必ずそうなる勢いというものは、退けて遠ざけることもできず、また急かして早めることもできない。

解説

天地の運行も人の世の変化も、「漸」すなわち少しずつ進むものだと一斎は言います。季節が一夜で入れ替わらないように、世の中の変化にも積み重ねの過程があります。そして、ひとたび必ず至る勢いとなったものは、人の力で押し戻すことも、無理に早めることもできません。易の漸卦が説く、順を追って進むことの大切さに通じる考えです。前の条で万事に定まった数があると述べたことを、時間の相から言い直したものとも読めます。改革や育成を急ぎたくなるとき、変化の速さそのものは自分で決められないこと、しかし流れを見て備えることはできることを思い出させてくれます。

この章句が説くこと

漸進天道時勢忍耐変化

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