言志四録 / 言志耋録 第五十三条 心身合一
喜怒哀樂。直見於面貌。形影一套。聲響同時。謂之心身合一。
新字:喜怒哀楽。直見於面貌。形影一套。声響同時。謂之心身合一。
書き下し
喜怒哀楽は、直ちに面貌に見はる。形影一套、声響同時、之を心身合一と謂ふ。
現代語訳
喜び・怒り・哀しみ・楽しみは、すぐに顔つきに表れる。形とその影がひと続きであり、声とその響きが同時であるように、心と体が一つであることを心身合一という。
解説
心の動きは、すぐに顔に表れます。一斎はそれを、形と影が離れず、声と響きが同時に起こることにたとえ、「心身合一」と呼びました。前条の知行合一と対になる考えで、心と体は別々のものではなく一つのものの内と外だということです。隠しているつもりの感情も、表情や声の調子には出てしまう。逆に言えば、顔つきや振る舞いを見れば、その人の心の状態がわかるということでもあります。『大学』の「中に誠あれば外に形る」とも通じる見方です。人を率いる立場にある人の表情は、部下にとって最も敏感に読まれる情報の一つです。自分の心の状態がどう外に出ているかに意識を向ける手がかりになります。
この章句が説くこと
心身合一表情感情誠内と外
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