言志四録 / 言志耋録 第四十七条 心は一大活物
凡活物。不養則死。心則在我之一大活物。尤不可以不養。養之奈何。理義之外。無別方爾。
書き下し
凡そ活物は、養はざれば則ち死す。心は則ち我に在るの一大活物なり。尤も以て養はざるべからず。之を養ふは奈何。理義の外に、別方無きのみ。
現代語訳
およそ生きているものは、養わなければ死んでしまう。心は自分の中にある一つの大きな生き物である。なおさら養わないわけにはいかない。では、どう養うのか。道理と正義のほかに、別の方法はないのである。
解説
心を「一大活物」、自分の内に住む大きな生き物にたとえた一条です。植物も動物も、養分を与えなければ枯れ、死んでしまいます。心も同じで、放っておけば力を失う。では心の養分とは何か。一斎は「理義」、道理と正義のほかにないと言い切ります。これは『孟子』告子上の「理義の我が心を悦ばすは、猶ほ芻豢の我が口を悦ばすがごとし」、正しい道理は肉が口を喜ばせるように心を喜ばせる、という言葉を踏まえたものでしょう。体の栄養には気を配っても、心に何を与えているかは意識されにくいものです。日々どんな言葉や考えに触れているかを見直すことが、心を養うことの第一歩になると示す条です。
この章句が説くこと
心養心理義活物修養
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